友達が『ベンチャーに転職する』って言ってたんだけど、『ベンチャー企業』ってなんなんだろう?
わざわざ今の会社を辞めてまで、挑戦したくなるものなのかな。
そこまで価値があるものなの?
そんな疑問を解決します。
『ベンチャー企業』と言われると、なんとなく危険なイメージを伴うものの、いまいち分かるようで分からないですよね。
実際、ベンチャー企業の定義は定まっているようで定まっておらず。ある程度イメージが先行する言葉です。
似たような言葉でも、『中小企業』『大企業』は、はっきりと定義があるんですよね。
そんな私は、これからこの記事でお話するところのベンチャー企業に10年以上勤めており、絶望的なキャリアだった当時から、ある程度浮上することができた人間です。
そこで、今回はそんな体験を通じて、『ベンチャー企業という言葉の意味』と、『ベンチャー企業に転職する意味』という2本立てでお話をしていきます。
これからベンチャー企業に関わる事があるようであれば、一度読んで頂けると、理解が深まるかもしれません。
それでは、さっそく本編に進みましょう。
Contents
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『ベンチャー企業』という言葉の意味
ベンチャー企業という言葉は、『Venture(冒険・思い切って~する・危険を冒して進む)』という言葉からきています。
そのため、ただ事業規模が小さいからベンチャー企業という訳ではなく、新しい事業・サービスを展開しようとしている会社に対して使われる事が多いです。
主に、以下のような特徴があります。
- 大企業が入りにくい業種であること
- 新しい技術を駆使して、事業やサービスを展開する会社のこと
- 成長過程にあること
まあ、そうは言ってもはっきりとした定義はないです。
『比較的若い会社であること』や、『IT系の会社』といった意味で使われる事も多いようですが、言葉の本来の意味からすると少し外れると思うので、ここでは取り上げない事にします。
ざっくり一言で説明すると、『大企業がやりにくいサービスを展開し、事業を成長させようとしている会社』というようなイメージで使われる事が多いです。
ベンチャー企業のステージと海外での使われ方
ベンチャーというのは基本的に日本で使う言葉で、海外でベンチャーというと、投資を行うベンチャー・キャピタル(VC)をさすことが多いです。
そんな海外では、ベンチャーという言葉の代わりに『スタートアップ』という言葉が使われます。
この『スタートアップ』というのは日本でも使う言葉で、ベンチャー企業の中でも『事業が始まったばかりの会社』を示しています。
というのも、ベンチャー企業には4つのステージ(成長段階)があると言われているんです。
- シード :会社設立前の準備段階
- アーリー:会社が設立されたばかり
- ミドル :事業が公に認知され、大きく成長する段階
- レイター:成長して事業も黒字化し、安定してくる段階
このうち、『シード』『アーリー』に所属するベンチャーのことを、『スタートアップ・ベンチャー』なんて呼んだりもします。
中小企業とベンチャーの違い
中小企業というのは、その事業規模に明確な決まりがあります。
これは事業の形態によって違うのですが、製造業であれば『従業員数300人以下』『資本金の額または出資の総額が3億円以下』となっています。
これに該当しないものが中小企業ではない企業、つまり『大企業』として扱われる、というわけです。
イメージで語られる事の多い『ベンチャー企業』という言葉と違って、中小企業という言葉にはこういったルールがあるという事なんですね。
一方で繰り返しになってしまうのですが、ベンチャー企業は事業規模によって明確に定まるものではないです。
ということは、『大企業』の『ベンチャー企業』というのも存在する、ということです。
これは『メガベンチャー』と呼ばれ、大企業でありながらも挑戦的な社風を重要視した、ベンチャーの心を忘れない会社として扱われる事が多いです。
たとえばそれは、1998年に設立されてからたった2年で上場したという『サイバーエージェント』、1997年から3年で上場した『楽天』などがあります。
最先端の技術を使って、どんどん新しいサービスを展開していく大企業というと、活気がありそうで良いですね。
実際、『大手企業とベンチャーのいいとこ取り』と言われる事も多いです。
ただ、『少ない元手から冒険して新しい事業を世の中に展開しよう』という要素が薄れるのは間違いないので、スタートアップ・ベンチャーを狙っている人からすれば、少し難しい選択ではあります。
ベンチャー企業に転職する事の意味
さて、こんな側面を持っているベンチャー企業ですが、こと転職しようとする人には、大体強い願望があります。
実際ベンチャー企業に所属している私も、その1人です。
- 将来的に起業したいと考えている
- 0から事業・サービスを成長させる経験を積んで、希少な人材になりたい
- キャリアアップでサラリーマンが得るのは難しいほどの収入を手にしたい
大体はこういった目的を持って、ベンチャーに入社してきます。
ただこれは、モチベーションがすごく高い人の話です。
ベンチャー企業はその性格から、人材・お金などのリソースが足りない事が多いんです。
そこで、範囲を広げて大募集した結果、『大手企業に入れなかったからベンチャーに入社する』という人もいます。
ここは、会社の採用戦略次第ではあります。
『事業のスタートから関われる』のは大きい
上記のような夢を持った若者が実際どうかというと、私の体験ベースで言えば、確かに『事業のスタートから関われる』というのは大きいです。
私の場合、比較的まだ事業が顧客に浸透していない時期に参加しました。
まったくのゼロベースから参加した訳ではなかったのですが、それでも商品を作って市場に浸透させる経験が積めた事は大きいと感じています。
転職活動でも積極的にアピールできる内容です。
というのも、メンタル的にも『基盤から整える』ことや、『誰もやっていない事に手を出して形にする』という事に対してのハードルがすごく下がるんですよ。
なんとなくスタートの時って、そのとてつもない作業量から躊躇してしまったり、やる前から諦めてしまったり、という事が少なくないです。
でも、そこを踏ん張って始めないと、いつまでも先には進めません。
そんなジレンマを解決してくれるんですよね。日々、新しい事の連続になるので。
そういった意味では、『ベンチャーで夢を掴む』という事を目的に参加するというのは、大いに可能性がある選択です。
仕事の人間関係から、所属する意味を見い出せなくなる事も多い
ただ、ベンチャー企業は一般的に人数が少ないので、中の人間関係でうまく行かないと、すぐに心を折られてしまう方もいます。
これには色々なハードルがあって、所属する意味を見い出せなくなってしまいがちです。
- 移り変わる仕事のスピードについていけない
- オリジナル(創業)メンバーとの扱いの差が激しい
『ベンチャー企業に転職する』ということは、当然既にベンチャーとして立ち上がった職場に行くことになるわけです。
自分が入社した時、会社の中にいるメンバーによっては、こういった側面が起こり得る事を事前に知っておかなければなりません。
良いことばかりではないんですよね。
ベンチャー企業に転職する価値はあるのか?
今回は、2つの側面からお話をしました。
『ベンチャー企業』とは、従業員数や資本金に明確な決まりはありませんが、『大手企業があまりやらないような、新しい事業を積極的に展開していく会社』のことをさすことが多いです。
『ベンチャー企業に転職する意味』の大きな所は、そういった未完成な企業に入る事によって、ゼロから事業を黒字化させる経験を持ち、本質的なキャリアアップを目指せる、という部分にあります。
これらを通じて、では最終的に『目指しても良いのか?』と言われれば、どうでしょうか。
ここからは個人的なお話になってしまいますが、私は大いにありだと思います。
給料は大手と比べると、まず下がるでしょう。仕事も激務でしょうが、それを乗り越えた時のメリットはやはり大きいです。
去る東日本大震災、今は新型コロナウイルスの脅威にさらされています。そんな中で、『常に生き残るための方法を考える』という意識が育つ事には意味があると考えます。
もちろん、大企業に居てもそういった意識が養えそうであれば、特別ベンチャーだけを目指す必要はないと考えています。念のためお話しておきます。
ただし! ベンチャー企業の中には、いかにもベンチャーを気取り、従業員を限界まで働かせて利益を搾取する会社があるのは事実です。
私も昔、そういったブラック企業に勤めて非常に摩耗した時代がありました。
また、会社が成功しても、その会社で自分の地位が上がるとは限らないです。これは個人の能力の他、会社の属人的な評価なども関わってくるので、コントロールできるものが全てではないです。
嘘偽りなく、そこだけはお話しておきたい。
それらをジャッジして、『ベンチャー企業の転職に意味を感じる』と思うのであれば、ぜひ挑戦して頂きたいなと私は思います。
リターンを得るために、リスクを管理する。ベンチャーはサバイバルです。
うまく管理できればきっと、どこに行っても使えるスキルになると思うので。