小説の書き方

小説のクライマックスの書き方、誰でも応用できる超簡単な方法

ジョージ

小説のクライマックス、いまいち盛り上がらないんだよな……。
盛り上がる条件ってなんなんだろう?



そんな疑問に答えます。


小説を書き始めたのは20年以上前ですが、未だにクライマックスは2週間くらいかけて考えます。重要なシーンだけに、物語全体の骨子に影響するので、気が抜けないんですよね。

今回はそんな経験から、以下のような悩みを解決していきます。

  • 小説のクライマックスがいまいち盛り上がらない
  • 絶対に盛り上がる定番テンプレートを教えて!
  • クライマックスって、どんな部分について意識したらいいの?


なお、クライマックスを書くためには、どうしても物語の全体を見直す必要が出てきます。

後半では、既に小説を書いてしまっている場合についても考察していきますので、よろしければ最後までお付き合いください。





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小説のクライマックスの書き方、誰でも応用できる超簡単な方法

まず、クライマックスが盛り上がらないのには理由があります。

結論から先に言うと、『スポットライトが当たっている主人公が、盛り上がっているつもりで……実は、盛り上がっていない』という事になります。

読者ではないですよ。登場人物たちについてです。


登場人物の感情が、実は動いていないんですよね。


よく、「もっと感情を出して書こう」や、「感情を強く表に出して!」などと言われますが、ぶっちゃけて言うと『感情』は出そうと思って出るものではないんです。

ここで、少し考えてみて欲しいなと思います。

日常を生活していく中で、「あーもっと悲しくなろう」とか、「超おもしろい気分になろう」とか考えたとして、その通りになるでしょうか?

たとえば友人がそんな事を考えているのを察してしまったら、ちょっと引きますよね。コイツやばそうだなって……。

そうなんです。つまり『感情』というのは、人が何かの行動を起こした時、その結果が出た時に、副作用的に起こるモノであって、何もない所からは生まれてこないんですよ。


つまり、感情が思わず突き動かされるような、クライマックスシーンをつくるためには?

『設定』の方をいじらなければいけないと、そういう事なんですね。


クライマックスポイント①:過酷な状況を作り出す

クライマックスをつくる上で最も大切にしなければいけないことは、主人公が最高潮に緊張する状態を作り出すということです。

そもそもクライマックスというのが、『頂点』や『最高潮』という意味合いを持っていますから。


結論、最も簡単に極度の緊張を作り出す方法は、『過酷な状況を作り出す』ということです。


といった風に書くと、「いや、そんな事は分かっていて、重要なシーンも作り出したんだよ。それでも、なんだか良いクライマックスにならないんだ」という事があるかもしれません。

そのために、とっておきの解決策があります。

それは、『状況をリアルに想像する』ということです。

「そんな事は分かってる」と思うかもしれませんが、もう少しだけお付き合いください!


たとえば、クライマックスのシーンに『主人公が警察に捕まる』といったシチュエーションを用意したとします。

逃げて逃げて、無罪を主張して、それでも捕まってしまう。そのシーンを描きたいのに、どうもリアリティが出ないというか、盛り上がらないことがあります。

こういった現象が起こってしまう問題は、自分がそのような経験をしていないがために、『実際の状況が細かく想定できていない』ということがネックになっているケースがほとんどです。

体験していないことをリアルに想像するというのは、実はすごく難しいことです。


当時の主人公になり切って、状況・立場・背景などをひとつひとつ積み上げながら、じっくりと想像してみる。時間をかけて瞑想するように追いかけて行くと、主人公の焦りが段々と実感できるものになってきます。

絶望的な状況が段々と理解できてくるに連れて、クライマックスシーンの緊張感というものは上がっていきます。

上記のシチュエーションで言うと、逃げて体力が限界になっている状態を想像し、そこに警察が現れる。

汗ばんで気持ちが悪い身体に、手錠がかけられ……という展開をできるだけ細かく想像する、ということです。

うまくトレースできるほど、リアリティが増していきます。

面倒だと思うかもしれませんが、絶対にこれはやった方が良いです。クライマックスシーンのおもしろさが数段レベルアップします。


クライマックスポイント②:主人公のトラウマに触れる

この小説ハウツーでも何度かお話をしているのですが、小説というのは何か大きな問題がひとつあって、その問題の解決に向かっていく流れを描くものである事がほとんどです。

だからクライマックスのシーンでは、その物語を解決した最も大きな部分、つまり主人公における最大のネックについて描いていくようにすると、より緊張感が高まります。

……と、こう書くと、「いや、そんな事は分かっていて、ちゃんと物語の核心に触れる内容を書いているんだ。でも盛り上がらないんだ」という事があるかもしれません。

それが起きてしまう原因は、『物語の核となるテーマそのもの』にある事がほとんどです。


つまり、その問題点にハードルの高さが作れていないんですよ。


たとえばうんとシンプルなところで、勇者が魔王を倒しに行くような話があったとします。

すると『魔王を倒す』というのがクライマックスシーンになるわけなんですが、この『魔王を倒す』、一言で言うと相当あっさりしていますよね。

なんだか、これだけの設定ではおもしろくなる気がしないと。そう感じて頂けるのではないでしょうか。

なぜこういった事が起こるかというと、その『魔王を倒す』ということが、どれだけハードルが高いかということが想定されていないから、なんですよ。

そして、そのハードルの高さというのは『主人公目線』で語られるので、具体的な主人公のエピソードに起因していたほうが、緊張感が上がるんです。


たとえば、その魔王は絵に描いたような残虐非道な魔王であることを想定したとします。

これだけなら、ただただ『残虐非道である』という言葉でしか無いのですが……一回過去に主人公と会っていたとしたら、どうでしょうか?

そこで主人公と一度、立場のすれ違いが起こるんですよ。勇者の主人公には気になっている女の子がいて、その子を幸せにするために、日々目標を持って生活をしていると。

その女の子には日頃から仲良くしているモンスターがいて、ペットのように可愛がっていたとします。

魔王は、根本的に人間は魔族よりも劣っていると考えているので、人間が魔物を飼っている事に抵抗感を覚えます。それで、『飼われている方の気持ちを考えてみたらどうだい』ということで、女の子を攫って散々使い倒した挙げ句、主人公の目の前で殺してしまうと。


まあこれは適当なんですが、同じ『残虐非道』でも、過去にこういったシーンがあるかないかで、主人公が受けるインパクトは相当変わってきます。


こういった前提条件が、主人公の原動力となります。

大切なのはクライマックスシーンそのものにあるのではなくて、『主人公がどういった問題を抱えているか』、『その問題にどういった視点で切り込むか』、ここにあるんです。


クライマックスポイント③:嘘を書かない

これは、『悲しい気持ちになろう』にも関わってくるのですが、『嘘を書かない』というのはとても大事です。

ここで言う『嘘』とは、主人公の気持ちに対しての『嘘』です。できるだけ正直な気持ちに従って書く、ということです。

前項2つで、クライマックスシーンを書く上での重要なポイントが、いかに『クライマックスシーンそのもの』よりも、『その手前の準備段階』にあるのかということが、分かって頂けたかと思います。


オムライスが大事じゃないんです。オムライスのレシピが大事なんですよ。


そのために、本当のクライマックスシーンでは下手に気持ちを作り出そうと意識して、シーンを『嘘にしない』ということが最重要になってきます。

上記の設定が無いまま突っ走ってしまった物語であっても、もうそのまま突っ走った方が良いということです。

『大嘘はつくとも小嘘はつくな』という言葉があります。

設定の段階や大掛かりなこと(剣と魔法のファンタジーにするとか)ではリアルに対して嘘をついても良いけれど、主人公の感情や行動、些細な部分に対して嘘をつくと、一気に物語が壊れてしまうんです。

だから、クライマックスシーンではご都合主義はNGです。ある日突然超能力に目覚めるとか、パワーアップするとか。これをやると、世界が壊れてしまいます。

なお、私の過去作にはこういったご都合主義が混ざっている事があります。「お前が言うか」状態で申し訳ないのですが、知らなかっただけなので許してください。


もう既にクライマックス直前まで進んでしまったけれど、それでもクライマックスを盛り上げたいという場合。これは、過去のシーンに飛んで『布石をつくる』というのが、最も現実的な対策になります。

といっても、やはり最初から仕込んでおいた作品と比べると見劣りしてしまいます。もうそれは、諦めるしかないです。

ただ、何もやらずにクライマックスを迎えるよりも、少し良い内容で仕上げる事ができるのでおすすめです。

前項の、『過酷な状況』と『主人公のトラウマ』を後から作り出してしまう、ということですね。

今からでも考える事をおすすめします。



小説のクライマックスは、最初につくろう

最後に、お伝えしたいことがあります。『クライマックス』は、『最初』につくりましょう。

一番最初に、盛り上がるクライマックスを作ってしまうんです。そうすると物語のバランスが取れて、終始テンポの良い話になりやすいです。

それはつまり、最後から逆算して物語を書くという事でもあります。

想定していない内容が後から後から出てくるほど、小説というのは壊れて行ってしまいます。

なんだかうまーく切り抜けてしまう小説家の方も居るようですけど、少なくとも私やクライマックスシーンの事で悩まれている方はそうではないでしょうから、声を大にして言います。


クライマックスは、最初につくりましょう!


現場からは以上です!


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