IT転職

ベンチャー企業へ転職するメリットを解説する【実務10年】

クリス

大企業に就職しても、チャンスが無いかもしれないよなー。
逆に、中小企業やベンチャーの方が任される領域が広いから、学べる事が多いのかもしれない。
でも、実際の所はどうなんだろう?



ITベンチャー実務10年です。これからベンチャー企業へ挑戦したいと考えている方に、ベンチャー企業のこんなところがメリットだよ、という話をしたいと思います。


『大企業に所蔵しても成長がない』なんて話も一部では聞きますよね。

私は長いことベンチャー企業でやっているのですが、大企業とも取引があるので、仲の良い営業さんや技術者の方とよく会社のあり方について話をするんですよ。

で、実際に話をしていると、これは一長一短あるところで、甲乙は付けられないな……という結論になるんですよね。

ということで今回の記事では、こんな悩みを解決していきます。

  • ベンチャー企業って実際どうなの? 転職する価値ある?
  • ベンチャー企業に転職するメリットが知りたい
  • ベンチャー企業への転職で気を付けたいポイントは?


初めにお話しておきたいのですが、新卒で大企業かベンチャー企業かで迷ったら、私は大企業へ就職することをおすすめします。

私のようにベンチャー以外の選択肢が無かった人間でないのなら、一度大企業で働く経験を持っておいた方が良いと思います。ほんとに。

なお、ここで言う『ベンチャー企業』とは、Wikipediaの記述に則って、こんな業種にチャレンジする企業の事だと認識しています。

ベンチャーとは、企業として新規の事業へ取り組むことをいう。このような事業をベンチャービジネス(英:Venture Business)という。事業は新規に起業したベンチャー企業によって行われるものを指すことが多いが、既存の企業が新たに事業に取り組む場合も含む。

出典:ベンチャー:Wikipedia


『ベンチャー企業』という言葉自体が和製英語で歴史も浅いので、色々な解釈がされるようですが、ここではマーケットが小さく大企業が入りにくい新規の事業へ取り組んで、マーケットのシェアを取っていく会社のことを指すことにします。

『企業年齢が若い』というのは事情によって異なるので、ここでは考えない事にします。

『設立して20年下請けとしてやっていたけど、新たに新規商品をつくって積極的に売り出した』これもベンチャー企業として扱う、ということです。




スポンサーリンク


ベンチャー企業へ転職するメリットを解説する【実務10年】

結論から言うと、以下の3つがベンチャー企業に転職するメリットですね。

  1. ルールがない
  2. ブランドがない
  3. 社員が少ない


「えっ? これがメリットなの?」と思う方、多いのではないかと思います。

でも、実際に働いてみて思うのは、これはイチ個人の立場として考えると、かなり大きなメリットです。その理由を解説していきます。

ベンチャー企業転職メリット①:ルールがない

これを語るには、『ベンチャー企業には段階がある』というお話を先にしておかなければなりません。

ベンチャー企業のように、新しい商品やサービスを開発して顧客に売る事を想定したビジネスには、私は以下のような4つの段階があると考えています。

  1. 【未熟期】何も定まっていない、商品が未熟で売れない、メンバーは数名
  2. 【成長期】新規顧客の獲得・拡大中、徐々に噂が広まる、メンバー微増
  3. 【成熟期】企業ルールの整備、作業の効率化・分業化、メンバー拡大
  4. 【終焉期】企業売却、または新規商品の開発、立ち上げメンバーが異動


単に『ベンチャー企業に転職する』という言葉だけではなくて、『この4つの段階のどこに位置するベンチャー企業か?』が大切だな、と思うわけです。

一本の映画を最初から見るか、30分後に見るか、ヤマ場から見るか、エンディングで見てしまうかによって、その映画に対しての感想って変わるじゃないですか。そんな感じです。


後でお話するんですが、この中で一番参入した時に面白い&美味しいのって、②からの参戦なんですよ。


私は都合、①の段階で入るしか無かったのですが、②の段階というのは企業らしい体裁もなく、でも商品やサービスが良いので顧客には売れる、だからがむしゃらに売りまくってシステムはどんどん改善して、とにかく利益をあげようぜ! という状態なんですよね。

残業も多くキツい環境ではあるのですが、この時ってチームに一体感があって、とてもおもしろいんですよ。グループが会社になる、本当の瞬間というんでしょうか。


参加していた事自体が100%独自の体験談になるので、転職でもかなり有利です。

以前ヘッドハンターから声がかかった事があり、何社か面談をしてみたのですが、やはり経営層に行くほど食いつきが良いんですよね。

だから、『ルールがない』は一転して有利かなと。そう思います。


ベンチャー企業転職メリット②:ブランドがない

まだ就職をしていない学生であったり、ある程度知名度のある企業の方はリアルな想像が難しいかもしれないのですが、とにかく『ブランドがない』というのは、ビジネスをする上で死ぬほど不利です。

『死ぬほど』ですよ。どれだけ学生時代に功績を残していようが、『ベンチャー企業』というだけで鼻で笑われます。これは覚悟しておいた方が良いです。

よく、大企業からベンチャー企業に転職することを格下げ、まあ『都落ち』みたいな風に捉えられる事が多いと思うのですが、これって実際に都落ちな訳ではなくて、『都落ち』だと考えている人達の影響によって都落ち化するんですよね。


何があったか知らないけど、仮想通貨危ないらしい、みたいな。仮想通貨危ないからブロックチェーンもよく分からないけど危ないみたいな、そんな感じではないかと。


リアルな体験談をお話すると、初めて出会った企業の初めての打ち合わせで、「ここにいる人達は、あなたと違って優秀な人間なので安心してください」と言われた事があります。

会うのが初めてな人に、なぜか開始5分でマウントを取られている。

そんな現象は多発します。


そして、これがビジネスの規模が上がっていくにつれ、徐々に周囲の印象が変わっていきます。

マーケットシェアを奪うと、『得体の知れないビジネスをしている得体の知れない会社』から、『○○のサービスをしている会社といえば』といった風に変わっていくんですよ。

ここはとてもやりがいがあります。


会社のブランドに頼らなかった場合の、リアルな自分の立ち位置を知ることができます。どれだけ良いものを作ろうが、トークが下手だったら本当に誰にも相手にして貰えないので。

そして、その圧倒的劣勢を逆転する方法も編み出すようになります。

これが、『ブランドがない』メリットです。


ベンチャー企業転職メリット③:社員が少ない

これは企業の商品・サービスによって必要な人員が変わるのでケースバイケースですが、まあベンチャービジネスを始めたばかりの会社って、等しく社員が少ないです。

なので、一見各スペシャリストが揃っていて、その優秀な人達が仕事を回しているような。そんな気がするじゃないですか。

でも、そういうスーパーエリートの人達って、ごくごく少数ですよね。

ほとんどのベンチャー企業の実態は、自分がやろうとしているビジネスのノウハウを知らない、という所から始まる訳なんです。

まあ、これはどれだけ実力があろうが当たり前で、今までにない商品・サービスを提供しようと言うんですから、当然そうなるわけなんです。

すると、何が起こるか。


トラブルがあった時に、『自分が解決しなければ、社員の誰も分からない』という状況が発生するんですね。


サービス停止しました! なんとかしてください! という時に、『自分が解決しなければ、社員の誰も分からない問題』が多発するの、怖くないですか。

でも、それを死にそうになりながら解決していくと、「ああ、こういう事をするなら事前にこれをやっておいた方が良いよね」という経験が身に付くようになってくるんですよ。

自然と『その人の専門分野』というのが完成されてきて、ポジションが完成されていき、結果として『スペシャリスト』みたいな扱いも、たまには受けることになると。

完成された人が完成されたモノを作るのではなく、モノを作った結果課題が生まれ、その結果として人が完成されていくんですよ。

ここはおもしろいポイントかなと思います。

中には最初からスペシャリストが集合して急成長する、そういうベンチャー企業も沢山あるんだろうとは思いますが……私は今のところ、そういったグループには出会えていないので……。


ちなみにベンチャー企業って、『残業時間が長くて超ブラック』みたいな話は多いですが、商品があってサービスも決まっているなら、作業を仕組み化すれば残業ってほぼないですね。

過去、フロー収入の会社で働いていた事があるのですが、そっちの方がずっとブラックでした。

働く人と会社の意識次第かなと思います。


ベンチャー企業転職で気を付けたいポイント

さて、ベンチャー企業のメリットと性質についてお話してきました。

でも、世の中には潰れていくベンチャー企業ってそれこそ星の数ほどあるわけで、「とりあえずベンチャー!」みたいな感じで転職するのはけっこう難しいです。

たまたま商品・サービスが当たって、結果として「ベンチャー企業だよね」と呼ばれるわけで、商品を作ってもそれが当たらずに会社が潰れたら、ただただ借金を背負った人ですから。

かといって、成功した後のベンチャーって正直普通の会社と大差ないんですよね……これは企業の性格にもよるかもしれませんが。

だから、これから『伸るか反るかのベンチャー企業』に転職することを想定した場合の、ある程度の判別するポイントというのを話していければと思います。


ポイント①:オリジナル商品・サービスがある会社に転職する

まず第一にお話しておきたいのは、『中小企業』と『ベンチャー企業』を区別して考えよう、ということなんです。

これは過去、私が犯してしまったミスですね。

ベンチャー企業に転職しよう! と考えて、社員人数の少ない、歴史の若い会社を探したとします。

その時に、たとえばベンチャー企業でもより安定を求めて、『ある程度収入が高くて』、『企業が安定していて』、『残業時間が少ない』会社を探すと。

こうすると、中小企業にただ就職する事になりやすいです。

ここで言う中小企業とは、『新しい商品・サービスを提供していない会社』、つまりベンチャー企業以外の規模の小さな会社のことです。これを、この記事では『中小企業』と呼ぶ事にします。


別に中小企業が悪いという話ではなくて、ベンチャー企業と中小企業では、毛色が全然違うんです。


新しい商品・サービスを提供していない会社というと、その多くは他の会社から仕事を貰えるルートがある、つまり『下請け』となり、仕事をこなす事で利益が上がる構造になっている事が多いです。

もしくは、人を派遣したり、グループで他社の受託案件を引き受けることで、利益になるタイプですね。

たとえオリジナル商品・サービスを展開していたとしても、別のサービスとしてこういった仕事をしている会社は多いです。

そして多くの場合は、受託案件や下請けの仕事が『メインの利益』になっている事が多いです。

何度も言うんですが、それが悪い訳では決してなく、ベンチャー企業に転職する目的は『新規事業に取り組みたい』と希望するという事でしょうから、目的と異なってしまう可能性が高いということです。


ポイント②:『フロー収入』と『ストック収入』を区別する

これは、言い換えると『売り切り』か『サブスク』かの違いということです。

性質上、『フロー収入』の場合は利益が単発で上がるので、企業が安定しないことが多いです。だから、『ストック収入型』のビジネスを展開している会社を選ぶ、ということですね。

ストック収入タイプのビジネスを展開している場合、利益の確保が安定的になるので、企業に余裕ができやすいです。

GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)なんかも、サブスクリプションベースのサービスを展開していますよね。

結果論ではあるんですけど、ベンチャー企業に転職する場合、『その会社の利益がきちんと確保されているか』というのはとても大事です。


リアルな所で話をすると、『メンバーの人格』にまで影響を与えます。ほんとです。


なにせ、余裕がないので。会社が倒れたら明日がない、そういう所で戦っていると、背水の陣ですよね。ギリギリじゃないですか。

だから、もちろん『誰かに何かを教えている余裕なんかない』し、『人の仕事を受け取っている余裕なんかない』という状態になるんです。どうしてもなるんです。

グループはギスギスしますし、利益を上げるために全員がギラギラします。ぶつかり合いも激しいです。

でもそれが、利益が回ってくると、物事を俯瞰して見られるようになっていくんですよね。あの時はご迷惑をおかけしましたって、よく謝っています。私が。

これがフロー収入だと、休まる暇がないんですよ。『売れなかったらゼロ』では、どれだけ利益があっても怖いですよね。そういう事なんです。


ポイント③:資本金から事業規模を判断する

ここは確実とは言えないのですが、資本金が1,000万未満くらいのオール自己資本らしき会社は、まだ企業としての体裁が整う前の状態となっている可能性があります。

資本金には『1,000万の壁』と『1億の壁』というのがあり、1億円を超えると事実上『中小企業』とはみなされなくなり、税金上の優遇措置が受けられなくなるデメリットが生まれます。

なので、資本金1億円を超えている会社というのは、それらを加味しても1億円以上にする必要があるということで、もうベンチャー企業っぽさはあんまりなくなってきます。


ベンチャーキャピタルから出資を受けている場合は別かもしれません。

ちょっとそういうハイレベルなベンチャー企業については正直よくわかりませんので、ここでは触れない事にします。


私の場合は、これから売れそうな商品・サービスがありながらも大きな資本はなく、まだ成功していない。ここに目をつけて、参入を決めました。

こうすると、やることがはっきりしているので、成果に繋がりやすいかなという考えがあったんですよね。

その作戦は成功して、私は無事昇進し、それなりの所得を得ています。

他にも、たとえば資本金は1億以上あって、『既に世の中に浸透している商品・サービスがある。その上で、新しい事業を展開しようと目論んでいる会社』なんかも狙い目かなーと思います。

実際、ヘッドハンターから声をかけられた時は、そういった観点で情報収集をしておりました。


ベンチャー企業は安定を求める場所ではない?

私はこのままいけば少なくとも退職金はないでしょうし、会社が潰れれば簡単に手ぶらで仕事を求めてさまよう立場です。

そういった意味では不安もありますし、『安定』はしていないな、と思います。

ただ、実際にヘッドハンターを通して他の会社と話をすると、わりと年収アップで声がかかりますし、取引先の方から「いつか一緒に仕事しようよ!」と声をかけられる事も多々あるので、それを考えると、別に将来に不安はないかな、と思います。


「大企業の方が安定している」なんて言いますけど、『安定』ってなんでしょうね。


私は、大企業であろうが中小企業であろうが、常に変わり続ける努力をしている人が安定するのかなと。そう思います。


だから、「大企業からベンチャー企業に転職したい!」というのも、かなり種類の違う経験でしょうから、良いと思うんですよね。

私は学生時代は病気で死にかけていたし家にお金もなかったので、大学という選択肢がありませんでした。だから大企業は選択から外していたんですよね。どれだけ熱意や功績を示しても、学歴だけは戦えなかったので。

正直、そういう選択があるのが羨ましいなと思います。

ということで、大企業に就職できる選択肢があるなら、後からは難しいのでまずそっちに行くのが良いと思います。

ただ、『伸るか反るか、死にそうになりながらビジネスを育てていく』という経験は、新しい事に挑戦する企業でしかできないという魅力があります。

最近は転職サービスも増えているので、そこでとりあえず話を聞いてみるというのも、良いかもしれませんね。



スポンサーリンク

-IT転職

© 2021 日々勉強。