小説の書き方

小説における『日常』の書き方を誰でも実践できる形で説明する

「日常がうまく書けない!!」という方向け。


駆け出し小説書きによって『日常シーン』というのはある種ひとつの鬼門でして、人によって書き方が異なったり、面白かったりつまらなかったりというのが如実に現れる部分でもあります。

私も昔は日常シーンを書くのが苦手で、なるべく省略したり絞ったり、作品の中で登場しないようにプロットを組んだりといった形で逃げていたのですが、ライトノベルを書くにあたって、どうしても日常シーンというものを書く必要に迫られ、やむを得ず研究しました。

小説の中でおそらく50万文字くらいは日常シーンを書いてきたと思うので、そろそろ覚えた事をノウハウとして公開しようと思った次第です。

個人的な手法に留まらず、なるべく誰でも実践できる形で書いていきますので、よろしければお付き合いください。



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『日常がメイン』なのか、『日常は合間のシーン』なのか

最初に分類すべきは、その書いてみたい日常というのが『作品そのもの』なのか、はたまた『物語における1シーンなのか』です。この2つは似て非なるもので、書き方が全然違ってきます。

何故なら、それが『日常がメインの作品』ならば、語っていく日常の中で物語に変化を付けなければなりませんし、

逆に『日常が1シーンとして合間に入ってくるもの』ならば、意識されるのは物語の構造よりも登場人物の掛け合いです。

ここが大きく違います。前提として書いておきます。

日常がメインの作品を作るための方法

大きなストーリーが動いていくのか、それともオムニバスなのかによって、全体的なストーリーメイキングが変わります。

大きなストーリーを展開させていきながら、その内部で日常メインのパートを多く設ける場合は、後述の『日常シーンを作る方法』を参考にして頂きながらも、全体は問題解決のために動いていく事になります。つまり、解決するための大きな問題が大事。

この問題設定をシリアスなものにしすぎてしまうと、非日常感が出るため、結果として日常メインのパートというものは持たせにくい。こんな、相反する現象が起きてしまいます。

ラブコメや部活動なんかの、命の危険を伴わないもので目標設定ができる課題を設定するのがおすすめです。

じゃあファンタジーでは日常系の話はできないの? ……と思われがちですが、要は誰も危険に晒されずない(もしくは晒されている感を出さない)目標を持たせると、日常シーンを多く混入させることが可能です。

次に、オムニバスですね。オムニバスの場合は各話完結型でオチを用意しなければならないので、そもそも日常シーンというよりは一話全体でどんでん返しとツッコミを用意していくイメージです。

つまり、毎話日常の中で繰り広げられる課題を別々に設定して、同じ登場人物が毎回違う問題に取り組む。そういった様子が、結果として日常っぽく見えてくるというわけです。

『日常感』自体が、結局は日々問題に突き当たってそれを解決しての繰り返しなので、これが日常っぽく見えるというようなモノです。

各話に問題設定→解決、といった下りをそれぞれ設定する必要があるので、後述の『日常シーンを作る方法』のようなやり方を挟む余裕が無いことが多く、従って問題設定する時に、いかに日常的に直面することの多い(まあ、言ってしまえばくだらない)問題を思いつけるかがポイントです。

日常シーンを作る方法

実は、他愛もない会話を繰り広げていても日常シーンっぽくなりません。ただ、退屈なシーンとなってしまいがちです。

人とどうでもいい会話をするとき、一方的に自分が喋る事はほとんどありませんよね。多くの場合は、相手から何らかのレスポンスを期待しているはず。

これをそのまま日常シーンにも応用すると、たとえば登場人物が二人居るとしたら、それぞれのレスポンスがきっちり返って来るとおもしろくなる。つまり、笑いの要素が少なからず必要ってことです。

では、笑いの要素というものをどうやって作るか?

笑いとは、『命の危険を伴わない驚き』

驚きを作る、といってもここで言う驚きとは登場人物にとっての驚きと言うよりは、読者に感じてもらう驚きです。つまりここは、頭を捻って発想する必要が出てきます。

登場人物の掛け合いの中で、シリアスにならないシチュエーションで容易く驚けるような、そういう会話を選ぶのです。ここを意識できると、急に登場人物同士の本来はどうでもいい、何でもない会話が光り始めます。

ボケとツッコミを用意するのも手っ取り早いですが、特に性格的にこだわりを抱えた登場人物同士の対面だと会話にユニークさが生まれ、テンポが良くなり日常感がアップします。代表的なものでは、『Working!』とかですね。

これは、登場人物の設定を作り込む必要が出て来るかもしれませんね。

笑う所まで行かなくてもテンポが良くなる

積極的に、物語に笑いの要素を取り入れていったとしても、そのすべてを笑えるやり取りにするというのは、相当に難しいことです。

前述の通り、笑いというのは『命の危険を伴わない驚き』なので、歴史も人格も違う人々を100%笑わせるというのは不可能に近いからです。

しかし、笑えるという所まで行かなくても、それは興味を引く対象にはなり得ます。だから、気兼ねせずに作品に取り入れていくべきだと、私は思います。

とくに、日常を中心に描いていく話としては。

読者の興味を引けるということは、そのやり取りにはテンポが生まれており、読むスピードを速められるという事に繋がります。なので、続きを読んで貰えやすいのです。

「これはちょっとつまらないかもしれないな……」と思わず、積極的に広げていくことで、自分自身のスキルアップにも期待しましょう。

まとめ:日常シーンは難しい

ここまで書いてきましたが、作品における日常のシーンってほんと難しいです。これが面白く書けるようなら、結構なレベルに達しているのだと思います。

それでも、これから日常を書いていく必要がある方の、何かの役に立てばと思い、この記事を書かせて頂きました。

もしも知らない要素があったなら、積極的に作品作りに取り入れて頂ければ幸いです。

それでは、今回はこんなところで。

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