小説の書き方

【小説の書き方】あなたの文章が『くどい』と言われてしまう理由

クリス

どーも、小説とか文章を書いていると、人から『くどい』って言われるんだよね。
でも、自分では何がくどいかよく分からないんだよなあ。
そもそも『くどい』ってどういう状態なの? 回避策はあるの?




今回は、そんな問題に言及していきます。



小説を書いていると、一度くらいは「文章がくどい」「表現がくどい」と言われてしまうものですよね。

では、これを回避する方法はあるのか? ……今回は、そんな目線で話を進めていきます。


私も昨今のWeb小説の空気に中々ついて行けなかった方で、『文章がくどい』というのはかなり昔から言われてきました。

Webで本格的に小説を公開し始めて今年で7年目になるのですが、この『くどい』を回避するために様々な施策を打ってきましたので、その成果について共有します。


それでは、さっそく本編に進みましょう。



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【小説の書き方】あなたの文章が『くどい』と言われてしまう理由

まず最初に『くどい』というのは実際何かというと、「同じような事を言ったがために、うるさく、しつこく感じられてしまう」という意味になります。

まあほとんどの場合は、ネガティブな表現として使われます。

でも実は、最近扱われるくどいというのは、何も『同じ事を言った場合』に限定されないという変化を見せてきています。

まずは、なぜあなたの文章がくどいと言われてしまうのか、その理由について掘り下げていきましょう。

読者が感じる『くどさ』の正体

さて、くどいという現象は『同じような事を言った時』に起こるという事でした。

結論から言うと、作者と読者の間で読み方に違いがある以上、『くどい』という現象を100%回避することは不可能です。

なぜそうなるのか、そこには主に2つのポイントが関係しています。

  1. 作品の多様化
  2. 長文を読むのが苦手なユーザーの参入


まず1つは、『作品の多様化』です。

昨今、Web小説における描写というものはどんどん削減されており、一昔前から考えると、もはや『何も説明されていない』とも思えるほどの量になってきています。

これは他の作品に触れることで、似たような世界観の小説をひとまとめにして考えるようになったからです。


誰でも最初は、描写の深い小説を読まないと内容は分かりません。特に、難しい世界観の小説ならば尚更です。

たとえば、ハリー・ポッターから魔法の世界の風景描写が奪われたとしたら、もはや中身を想像するのは不可能と言っていいでしょう。


でも、たとえばドラゴンクエストに始まるような、いわゆる日本製ファンタジーの世界などは色々な作品で登場しているので、わざわざ説明されなくてもほとんどの人が知っています。

それと似たような世界を出す以上、描写はある程度ショートカットできてしまいます。

昔は小説しか無かったものですが、マンガが生まれ映画がカラーになり、インターネットに作品が公開されていくその過程で、ユーザーは様々な作品に触れられるようになりました。

わざわざ小説で、文章で説明されなくても、ある程度の空想ならばすぐに想像できる世界に変化している、ということです。

長い文章を読むのが苦手なユーザー層の参入

もう1つは、『そもそも長文を読むのが苦手』なユーザーが参入している、という事実です。


インターネットが発展し、情報が共有されていく中で、より多くの人が作品の世界に触れるようになってきました。

わざわざ本屋に行ってモノを買わなくても、電子書籍で手軽に揃えるといった芸当もできるようになりました。

これは、読者の参入障壁を下げる事に繋がっています。


結果、これまでならわざわざお金を出してまで文章を読まなかった人も、無料で手軽に誰かが書いた作品を読めるようになったのです。

ユーザー層が広がる一方で、あまり文章に触れてこなかった人たちも巻き込む事態になっています。


たとえばあなたは、医療関係者が発行している薬や治療に関する本や論文を、読んで理解することができるでしょうか。

ITやテクノロジー、数学に関する本はどうでしょうか。

あるいは小説なら? 小説が駄目なら、ライトノベルならどうでしょうか? それも駄目ならマンガでは?


文章は、ぱっと見るだけではその内容が分からず、『読んで』『想像する』という、2つのステップを通る必要があります。

つまりこれは、『一文あたり、どの程度の長さまでなら読んで覚える事ができ、想像に繋げられるか』は人によって違う、という事を意味しています。


文章が長すぎて、想像するのが難しい。頭の中に収め切れない。


こういった場合も、読者からの反応は『くどい』となります。

あなたの小説の『くどい』を可能な限り回避する方法

さて、くどいの正体が何かある程度分かってきた所で、今度はそれを回避する方法について解説します。

ただし前述しましたが、作品は作者だけのものではないので、読者によっては回避できないケースもある事は、覚えておいて頂ければなと思います。

その上で、くどくない小説にする方法は、以下の3つです。

  1. 『反復』の意味と効果を理解して正しく使う
  2. 説明が必要な場所とそうではない場所を区別する
  3. 一文あたりの文章量をなるべく短くする


これらを、読者目線で見た時と作者のオリジナリティを出したい時で、うまく使い分けるのが重要です。

1.『反復』の意味と効果を理解して正しく使う

反復には、覚えている事を何度も反復されると『くどい』と感じられてしまう一方で、一度忘れたことを反復された場合、記憶に定着しやすいというメリットがあります。

同じ反復でも、『良い反復』と『くどい反復』が存在するということです。

これをうまくコントロールしましょう。


つまり、読者が覚えているであろう事を反復すると、それは「ウザいな……」「くどいな……」という印象を与える事になります。

しかし、忘れている事柄に関しては、「あ、そういえばそうだったな」という気付きを与える事になります。

作品の中で重要なことほど、反復する必要が出てきます。


ではそれをどう反復していくかというと、『エビングハウスの忘却曲線』を利用します。

人間は1つの事を覚えた時、一定の時間が経過していくにつれて、忘却率が上がっていきます。

これは、1日後には67%の事を忘れると言われています。


そしてWeb小説のユーザーは、大半が社会人です。

2016年に行われた総務省統計局の調査では、東京都の人達の平均通勤時間は片道59分で、このうち電車に乗っている時間を狙うと仮定すると、まあざっくり30分~1時間くらいが期待できます。

対して小説側は400字で読了までに大体1分、5,000字で12分です。無料で読める小説は、多くの人が複数の更新を追いかけていますから、この1話分が1日だと考えると丁度よいです。


そこで、3~4話ごとに登場する反復であれば、多くのユーザーに『くどい』と感じさせない事ができます。

これはWeb小説以外にも応用できる考え方です。

2.説明が必要な場所とそうではない場所を区別する

次に、説明が必要な箇所、そうではない箇所を区別しましょう。

前述の通り、文章が丁寧であったり、長かったりという場合に『くどい』と言われる可能性が高くなっていきます。

しかし、それを真に受けて説明が足りなくなってしまっては本末転倒ですから、それを『使い分ける』んです。


突然ですが、あなたは小説を読む時、最初から最後まで同じペースで読んでいますか?

多くの人が、『No』だと答えるはずです。

小説は、出来事がまだ整理されていない冒頭ほど読むのに時間がかかり、話が完成してきてクライマックスに向かう流れでは、読める量が倍くらい違います。

逆に言えば、後半はスピードを大切にしたいので、文章が沢山詰め込まれていると、くどさを感じる事になります。


ではどうして前半と後半では読者の読むスピードが違うかというと、それは『話の目的が明確になっていくから』です。

映画などでもそうですよね。物語は、終わりに近づくほど目的意識が高まって、盛り上がるようになっていきます。

強い行動を伴う時、目的が明確な時は文章量をなるべく減らし、また手探りの時、話を進める要素を探している時は、描写を多めに、丁寧にする。

このメリハリが付いていると、『文章が好き』と言われる事が増えていきます。

3.一文あたりの文章量をなるべく短くする

最後に、一文あたりの文章量は、なるべく短くすることをおすすめします。

もちろん、自分にとってのオリジナリティが失われるほど短くした方が良い、という事ではありません。


同じ小説でも、地の文が一文あたり平均5~8行になっている小説と、1~4行で収まっている小説では、明らかにリピート率が違います。

どうも、平均して文章が多くなっていると、読者の多くが読みきれずにリタイアしてしまうようです。


一文を多くするということは、直接的な表現では基本的にそこまで文字数を必要としませんから、複数の文章を繋げるなどで、直接的ではない表現を多くするかしか無いわけです。

いや、自分は形容詞を多くして、細かい描写がしたいんだ! というオリジナリティに関わる部分は操作できないかもしれません。

でも、わざわざ複数の文章を繋げて書くよりは、ある程度の段階で切った方が読みやすいという事には、多くの方が共感して頂けるはず。


そんな風に、自分にできる所から読者に寄り添っていくというのも、作者としては悪くはない選択です。

小説は読者が読むものですから、その時代の読者に合っていたほうが喜ばれるものです。

自分を犠牲にしてまで読者に寄り添う必要はない

ここまで書いてきましたが、最後に大切なことを1つだけ。

ここまで書いているすべてのことは、あくまで『読者ファースト』を考慮した場合に対策できることとして書いています。

色々な小説の形があって悪いものではありませんし、何もすべての作品が、広く浅い読者に当たったほうが良いとまでは、私は考えていません。

ニッチに寄ったほうがうまくいく場合もありますし、書き方は人それぞれです。


だから、たとえ読者に「くどい」と言われたからといって、場合によっては無理をしてまで対策をする必要はないです。

読者に小説を選ぶ権利があるように、作者もまた、好きな人にだけ小説を届ける選択というのはあるのですから。

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