小説の書き方

【小説の書き方】表現の幅や言い回しを広げるにはどうしたら良いのか

クリス

うーむ……どうも小説を書いていると、いつも似たような言い回しとか表現になっちゃうんだよな。
表現の幅ってどうしたら広がっていくんだろう。とりあえず、本をたくさん読めば良いのかな?
キレイな表現にしたいけど、かっこつけみたいに見えるのはイヤだな。




そんな疑問に答えます。


表現の幅……難しい問題ですよね。私も未だに、表現方法では悩むことがあります。

考え方は人それぞれですが、この記事では『表現の幅』や『言い回し』を広げるために、私が実践している方法について解説していきます。

特に効果があったものについてピックアップしていきますので、参考にして頂ければ幸いです。


私はWeb小説を真面目に更新し始めて7年になりますが、あえて表現はシンプルに、あまり気取らないように心がけています。

その理由についても語れればと思っています。

それでは、さっそく本編に進みましょう。

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【小説の書き方】表現の幅や言い回しを広げるにはどうしたら良いのか

これは実際に試して思った事なんですが、『本をとにかく読みまくる』というのはあんまり効率が良くないですね。

もちろん効果はとてもあり、多くの方が実践している事かと思いますが、いかんせん定着していかないという問題があります。


なぜそうなるのか、という事でテストをしてみたいのですが、あなたが1~3ヶ月くらい前に読んだ小説や本、何でも良いので思い出してみてください。

その中で、『これは気に入った』という項目や解説、ひとつはあったと思います。

では、その項目や解説の部分について、ひとつでも一字一句間違えず覚えているものってあるでしょうか。

多くの方が、無いと答えると思います。


それもそのはずで、文庫本1冊だってけっこうな文章量があるので、一度さらりと読んだだけでは細部まで思い出すのは相当難しいんですよね。

表現の幅を広げるには、何度も読み直す必要がある

このことから、『一度読んだ本をもう一度読み直す』ということが有効だと分かります。

つまり、復習ですね。

1回読んで、ある程度内容が思い出せなくなった辺りで、もう一度その本を読む。

これを繰り返すと、その本で使われている表現がしっかりと、自分の中に根付いていきます。

1冊を読む中ではどうしても流し読みをしてしまうタイミングがありますが、複数回読むことで、これらの部分も頭の中に落ち着ける事ができます。


……でも、これをやるためには、『ある程度の回数読み返しても苦痛にならない程の良書を探す』というステップが必要になります。


特に小説はマンガよりも読むのに時間がかかるので、読み返すのが苦痛になりやすいです。

自分の中で、『これだけは』と思える作品を探してみましょう。


私のおすすめはハリーポッターのように、文章表現がある程度柔らかいものです。

話の展開だけで面白いものを題材に選ぶと、頭の中に構造を描きやすいです。

ただ、これは自分がどんな文章表現を追いかけたいかによって変わって来ますので、とにかく自分が好きなものを選びましょう。

インプットだけではなく、アウトプットしよう

また、『読んでいる最中にも小説を書く』というのがおすすめです。

表現の範囲を広げるためには、まずは色々な表現に触れて、それを実際に自分の手で書くことが必要になりますよね。

ここは同時並行じゃないと、知識が新鮮なうちにアウトプットする機会が無くなってしまうんですよ。

なので、『読む日』『書く日』という風に分割するのではなくて、読み書きは1日のうちにどこかで両方やるとか、そういった工夫は必要になるかなと思います。


小説を書きたいと思う方の多くは学生か社会人だと思いますので、私のおすすめは『電車の通学・通勤時間で読書、帰ってからアウトプット』ですね。

最近は車通勤になったのでやっていませんが、私はこの習慣を10年くらい続けてみて、わりと効果があるなあと感じております。

触れてすぐに使う機会があると、人って色々な表現を覚えられます。

繰り返すだけではなく、『関連させる』『違う角度から触れる』という事を意識すると、話し言葉も色々なバリエーションが増えていきますので、おすすめですよ。

『一期一会の音読』をやってみる

最後におすすめしたいのは、『一期一会の音読』です。

この言葉は、森沢洋介さんという英語学習の世界でとても有名な方の『英語上達完全マップ』の説明テキスト内にある記述なのですが、気に入っているのでよく使っています。


英語を覚える過程では、音読がとても大事だというのは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

中身がすりきれるほど音読を続けると、息を吐くように自然にその言葉が口から出てくるようになってきます。

口癖のようなもので、使えば使うほど使えるようになっていくんですよね。


まあ私達は日本語が母国語なので、ここまで繰り返す必要は無いことが多いです。

でも、日本語で書かれた文章であっても、気に入ったフレーズを見かけるたび口に出すという事を訓練しておくと、ふとした時に使える機会が多くなります。

一期一会の音読。これが良いかなと。


私も、小説などで気に入ったフレーズはその場で口にして読むようにしています。

もちろん電車の中ですからウィスパーボイスで、ほとんど声になっていない事も多いです。

それでも、1日の中で覚えていられるくらいには効果があると感じています。

注意点として、『一度本を閉じた状態で言ってみる』というのが大事です。

読んだものを吐き出すだけではなく、一度頭の中を通してあげると効果が高いと思います。


そして、帰ってからそのフレーズを使ってみると。

こんなことを繰り返していくと、表現の幅は広がっていくかなと。

小説を書いていく上で、避けたほうが良い表現

さて、表現の幅が広がってくると、色々な作品にチャレンジしたくなってきます。

それはそれでとても良いことだと思いますが、一方で注意した方が良いこともあります。

そこで、『表現でここには気を付けよう』という部分について解説していきます。


市販の小説を読むと、とても綺麗な表現が多いです。

思わず使いたくなるものが沢山眠っているのですが、実は息を呑むほど美しい表現って、小説の中の一部であることが多いです。

そこに感動して、とにかく気の利いた表現を多く取り入れようとすると、結果として読者が離れていく事があるんですよね。


このあたり、深堀りして解説していきます。

表現に力を入れると、回りくどい説明になりがち

特に初心者のうちは、本当に力を入れたい場所を定め、そこでとっておきの表現を使う、と意識した方が、うまくいきます。

というのも、読者がわっと感動するような言い回しは、早々思いつくものではないからです。


『その場を表現するのに最も相応しく、言葉の並びも美しい』文章を目にした時、「あー、この表現はすばらしいな」と思ったり、強い感動を覚えたりします。

でも、それを目にして初心者の私達が書くものは、『その場を表現する適切な言葉』ではなかったりするんですよね。

つまり、言葉の並びの美しさを追求したがために、表現の適切さが失われてしまう事があります。

全域にわたってこれが行われると、もはや直接的な表現にしてくれた方がずっと分かりやすい、という現象が起こりがちなんですよ。


小説の世界は文章をもとに想像するものですから、『わかりやすい』事が大前提であって、『美しい』というのはその上にあるものです。

美しさを追い求めることで、わかりやすさが欠けてしまってはいけません。

『めちゃくちゃ図解がアーティスティックで見ているだけで楽しいけれど、書いてある事が1ミリも分からない参考書』なんか、誰も読みたくないですよね。

いや、これはこれでちょっと読んでみたい気もする……。


とにかく、これだ! と思うものが見つからないようであれば、せめてわかりやすさを意識した文章にしましょう。

難しい漢字はほどほどに

表現の幅を広げようとして、まず一番最初に思いつくのは『難しい漢字を使う』という事ではないでしょうか。

別に悪い事ではないんですが、知らない漢字が頻繁に登場すると読者としてはストレスを感じるものです。

それがないと適切な表現にならないという場合を除き、ほどほどに使うようにしましょう。


私も長く知らなかった事なのですが、読者の中には『難しい漢字アレルギー』のようになっている人もいます。

別に読めない訳ではないみたいなのですが、『胡乱』やら『双眸』やらという、日常ではあまり触れない漢字が何度も登場すると、不快感を覚えて読むのを止めてしまうそうです。

友人がこれで、一度私もペケを喰らったことがありました。


まあ感じ方は人それぞれなので、これらの全てを防ぐ事はできません。

でも、『いただく』『あらかじめ』『ありがとうございました』など、実は身近な漢字でも、ひらいたほうが読みやすいとされている表現はあります。

過度に漢字ばかり含まれていることで、読者を落としているかもしれません。

それはちょっと、残念ですよね。

トライ&エラーで表現の幅は増えていく

さて、今回は『小説における表現の幅を広げる』というテーマでお話をしていきました。

ただ、ここに書かれている事はほんの一例なので、その点はご容赦いただきたいものです。


表現の幅を広げるという行為は、結局はより多くの表現に触れなければ達成できません。

『本をとにかく読みまくるのは効果が薄い』なんて書きましたが、何もしなければずっと、今できる表現の量は増えていかないんですよね。

なのでやり方にこだわらず、自分が続けられる、興味のある事ができれば良いのかなと。


私は、ひとつの作品は基本、何度も読み返す方です。

時にはプロットを紙に起こして、自分なりに構造を分析してみることもあります。

すごく感動するのに、どうして自分が感動したか分からなかった時などはそうやって、小一時間ほど喫茶店に入り浸っていることも。


最終的には、トライ&エラーを繰り返していく必要があるのかなと。

一朝一夕で身につくものではないので、のんびり続けていきましょう。

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