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ベンチャー企業に転職して失敗したリーダー達の共通点【体験談】

ジェニファー

ベンチャー企業への転職を考えているんだけど、失敗しないか不安で仕方がないんだよね……。
今の仕事は別に楽しい訳じゃないんだけど、給料はちゃんともらえているし、別にブラックでもないんだ。
だから、ベンチャー企業に転職して失敗したケースを教えて欲しい。



という方に、この場を借りてこっそり教えます。


ベンチャー企業で10年以上働いています。わりと沢山のベンチャー企業で失敗した人達を見てきました。なので、今回はそんな話をしていきます。

転職は、どうしても慎重になりますよね。特に、今の仕事でも生活が成立している場合。

今よりも良い場所を追い求めて転職しようとは考えるけれど、もし転職を試みたとして、失敗したら嫌だなと考える事が多いと思います。

私は今の会社に勤める前がそうで、泣くほど辛い出来事が沢山あるにも関わらず、転職するのに1年かかりました。この、『別の場所に行くと今より悪くなるんじゃないか』という不安は人を駄目にすると思います。

この記事は、ベンチャー企業に転職して失敗していった人達が、どんな共通点を持っていたのか――それを説明することで、皆さんの転職のリスクを少しでも軽減できればという狙いを持っています。


それでは、さっそく本編に進んでまいりましょう!

Contents



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ベンチャー企業に転職して失敗したリーダー達の共通点【体験談】

もし今、公務員や大企業など、『決められた仕事があって給料も安定している』という状況下に居た場合は、ベンチャー企業に転職して失敗する人はリーダータイプでも一定数いるという事を覚えておくと良いかもしれません。

よく、『ベンチャー企業でも大企業でも成功する人は等しく成功している』なんて話がありますが、ここは私、結構違いがあると思っています。

大企業の有名なポジションからベンチャー企業に移動してきて、うまく行かずにもどかしい思いを抱えていた方、沢山いたんですよね。

私はベンチャー企業におりますが、大企業とも繋がりがあるので、そこにいる知人からいつも「くらげさんは大企業はやめておいた方が良いかもしれませんね」と言われます。

私もそう思います。

そこで、成長途中のベンチャー企業では、以下のような人はあまり活躍できない傾向にあります。

  1. 人を動かすのが得意という人
  2. 自分のプライドを捨てきれない人
  3. 変わりゆく仕事に対応できない人


それぞれ、見ていきましょう。

共通点①:人を動かすのが得意という人

たとえば、側面のひとつとして『人に指示するのが得意な人』が失敗しがち、というのがあります。

スタートアップの場合に最も強く影響してくる要素だと思いますが、成長途中のベンチャー企業に『人に指示するのが得意な人』が転職しても、うまく行かない事が多いです。

そういう人達は前職から引き継いだ優秀な資格や肩書きを持っていたりして、当時の仕事に誇りを持っている場合もあります。でも、新たな成功を求めてベンチャー企業にチャレンジするというわけです。


断言しますが、ベンチャー企業では『熱意で人を動かし、自身も手を動かす』人が最強です。


資金が無い状態では、動かせる人も設備も少ないです。他の会社に頼むなんて到底無理という企業も多い。そんな中で『人に指示するのが得意』な人が入っても、効果が出ないんですよ。

こう話すとなんとなく、『人に命令して自分は何もしない人』的なイメージが付いてしまうかもしれませんが、事実として人や組織をうまく動かしてビジネスを進めるのがめちゃくちゃ得意な人っているんですよ。

そういった方の多くは、非常に勉強家です。自分が分からない事が多いという事を認めつつ、各業務を担当するスペシャリスト達と知識を共有できるだけの学を持って、人を動かすんです。

私の周りにも居て、尊敬しています。特に、人の心理について学ぶことが非常に多いなと。

でも、たぶんベンチャー企業には合わないんじゃないかなって思います。人数が少ない会社には、動かせる人がそう多くはないからです。

共通点②:自分のプライドを捨てきれない人

前職の肩書きを背景に、手を動かす立場になるのが苦痛という方もいます。

実際、私の会社でも昔はそういう人が所属していた時代がありました。

しかし、ベンチャー企業に手を動かさない人が入ると、『批評』と『あるべき論』を語るだけで成果が出ない、という結果になってしまうケースが多かったなと感じています。

また、手が動かせる人でも、自分の仕事にプライドを持ちすぎているケースもあります。

たとえば当時、すごく優秀なシステムエンジニアがおりました。前職ではとても優秀な肩書きを持っていて、とても綺麗なコードを書き、ソフトウェアを作る受託開発の仕事に就いていました。

でも、ベンチャー企業は泥臭い場所です。

  • とにかく最速で動くものを作った方が有利
  • 『作って売る』を徹底できない人には仕事がない
  • 一人ですべてをできる人が必要とされる


受託開発から来た人には、自分で商品を発想することができませんでした。でも、商品を作っている人が居る所に後から高い立場で入って来て、教えを請うのは難しかったようなんですね。

なお、私は下っ端だったので特に関係ありませんでした。

どうも、彼はこういった想いを抱えていたようです。


『あんなに汚いコードで、商品になどなるわけがない』


単にプライドが高いだけの人ではなくて、優秀な技術者ですよ。

ベンチャー企業では、どれだけ仕事にスキがあろうが、ボロが出ようが作りが汚かろうが、売れるモノを作る事の方が大事です。そして、それを売るのが大事です。

時には優秀な肩書きや、自分の仕事に対してのプライドが邪魔をしてしまう事もあるという事でしょうか。

共通点③:変わりゆく仕事に対応できない人

あるひとつの分野だったら強いけれど、他の仕事になると厳しいという方もいます。

ベンチャー企業はとにかく動きが速いので、1年単位で見ても去年やっていた仕事と今年やっていた仕事が全く違うという事が珍しくありません。

そのため、これまでの経験がそのまま応用できない事が多く、常に変化を求められます。

私もこれまでの仕事を振り返ると、大体2~3年程度の周期で新しい商品の開発に携わっています。

毎度新しい知識が必要なので、ある時代はシステムに関われていた人でも、商品が変わることで関われなくなったという事はよくありました。そういった方は、会社を去っていきます。

大企業のように資本がある訳ではないので、そのくらいスピードを上げていかないとすぐに会社の体制が崩れてしまうんですよね。

ここは注意が必要です。


こう書くと、一見「そんなの、どこの会社でも当たり前じゃないか」と思いがちなのですが、そういった変化に圧倒されてしまうタイプの方もいます。

『ラーメン一本勝負』ではありませんが、『私は技術者として生きていきたいからシステム開発しかしない』とか、『私は営業だからモノを売るだけでいい』とか、そういった風に自分の仕事は不変だと決めている人って、実は結構いるんですよ。

そして、そういったこだわりはベンチャー企業においては、低評価に繋がる事の方が多いです。

『会社経営に関わる事ならなんでもやる』くらいの認識でいないとダメかもしれませんね。

逆に言うと、色々な経験をするので仕事が楽しいという方も居ますけれども。

ベンチャー企業への転職で失敗しないために

前項までの内容で、『ある方向ではとても頼りになる人が、ベンチャー企業に転職した事によってうまくいかなくなる場合がある』という事が説明できていればと思います。

決して社会人として駄目だという話ではなく、タイプの違いによって向いている・向いていないという事があるということです。

何しろベンチャー企業は会社によってやる事が大きく違いますから、扱われる商品も集まる人も様々です。

さて、そんなベンチャー企業に転職しようとして、失敗しないためにどんな心構えで居たら良いのか。そんな話に繋げていきます。

ポイントは2点です。

  1. 経営者目線で仕事をする
  2. 成果が出る部分にシフトする


最低限ここさえ抑えておけば、少なくとも仕事を追われる所までは行かないかなと思います。

それでは、順番に見ていきましょう。

1.経営者目線で仕事をする

会社員と言っても、特に人数が少ないベンチャー企業になるほど、仕事全体を見ていく必要に迫られます。

そんな時、「これだけの給料しか貰っていないのに、ワリに合わないよな……」とか、「俺だけ頑張っていて、周りは何もしてないんだよな……」とかですね。

『見合った待遇』と言うのでしょうか。私の周りにもこんな話をする方が沢山いますが、これらの考え方は厳禁です。


もしこう思うようでしたら、一度考えてみて頂きたいのです。

仮に自分ひとりで起業するとしたら、『給料』なんて下手するとゼロの場合だってありますし、『頑張り』と報酬がいきなり結びつかないというのは当たり前ですよね。

それが、経営者と従業員の立場になったからって、いきなり大きく変化はできないんですよ。『始め苦しく、仕組みを作れば後は楽』というのが仕事の本筋です。従業員だって、始めは苦しいんです。

もし、このセオリーが理解できないようでしたら、ベンチャー企業に転職しても辛くなってしまうかもしれません。

ただでさえ、経営者は給料を支払う義務を背負っています。何の利益が出ていなくてもです。

もしこれが逆の立場だったら、『給料に見合った仕事をします』という『見合った』の部分が単なる個人の見解だとしたら、一緒に仕事をしていけないなと思いますよね。


だから、『経営者目線で仕事をしよう』というのがひとつの対策となります。


いついかなる時でも、「もし自分が経営者だったら……」と思って動くようにするんです。お金のリスクを背負わずに起業に挑戦しているようなものです。価値はありますよ。

信頼できる経営者と組めば、会社が成功した時に大きな見返りも期待できます。

2.成果が出る部分にシフトする

色々な事を求められるのがベンチャー企業ですから、『成果が出る部分にシフトする』というのは大事な考え方です。

ベンチャー企業に転職すると、様々な事を任されるようになって、商品開発も営業も、サポート業務や契約なども取り扱うようになります。

これを、最初のうちは自分ひとりでなんとかこなすんですが、事業が軌道に乗って利益が出てくると、人を雇う余裕が出るようになります。

そこで、『自分がもっとも成果が出る部分』にシフトできるよう、仕事内容を自分の手でコントロールしていくんです。

つまり、自分とは違うスキルを持っている人探しも重要になってきます。

私は新しい商品を考えたり開発したりするのが好きだし得意なので、営業やサポートなどもやりますが、基本的にはそちらにシフトしています。

『新しい事を発想するのは苦手だが、コミュニケーションをするのは得意』という方もいます。この場合、営業や顧客サポートなどの業務に従事します。

『人と話すのは苦手だが、決められた作業を高速でこなす事ができる』という方もいます。この場合、商品の納品や発送業務など、純粋な作業ができる方向にシフトします。

このように、人のタイプって結構違いがあります。自分がどんなタイプなのか、正確に理解する必要があります。

ビジネスが軌道に乗った後は、できるだけ適材適所です。


ピッチャーが沢山いても野球にならないように、ベンチャー企業は異なるスキルを持った人間同士が協力する、言わば海賊船のようなものです。

何でもやりつつ、一箇所に仕事を動かしていく。

一見これまでの話と矛盾するようですが、最終的に『私は○○をやります』とはっきり公言ができるようになるつもりで居ると、失敗しない事が多いように思います。

他の仕事をやらない訳ではないんですけどね。

ベンチャー企業は失敗の宝庫

ということで、『ベンチャー企業への転職で失敗しないために』というお話でした。

この記事に書いてある状況に陥らないようにしつつ、今度は自分の仕事で失敗をなるべく積み上げて解消していく姿勢を取っていけば、ベンチャー企業でやっていく体制はできるのかなと思います。


ただ、何を失敗と取るかは、最終的には人それぞれです。

立ち向かって乗り越えていける失敗なら、別にしても良いのではないでしょうか。


元々、ベンチャー企業に転職することそのものが大きな挑戦ですから、むしろ失敗受けて立つ、くらいの気持ちで居たほうが良いかもしれませんね。

自信を持って始めた事業が、まるごと失敗して撤退するなど、リスクを取らない企業では思いも寄らない事が沢山起こりますから、勉強できる事は大いにあると思います。

私も、このカオスさが楽しくてベンチャー企業に所属しています。

それでは、今回はこんなところで。

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