小説の書き方

高校生だった頃の私に伝えたい小説の書き方【初心者向け・基礎】

ジェニファー

今高校生なんだけど、小説を書いてみようかな、と思ってる。
でも、なんだか小説って難しそう。Webに小説を公開するのは大変なこと?
どんな事に気を付けたら良いかな?



そんな方向け。


初めて小説を書く時、Webにアップする時って、やっぱり色々気になるものですよね。

Web小説を7年、舞台脚本に17年ほど関わって来た上で、昔高校生だった自分に伝えたいことを要約して書いた記事があればと思い、この文章を書いています。

現在高校生で、これから小説を書いてみたいと思う方の、何らかの手助けになればと思うばかりです。

なお、この記事では『小説作法のルール』や『起承転結』など、一般的に調べれば載っている内容については扱わないようにしようと考えています。

どちらかと言えば、私がこれまで小説を書いてきて経験した、意識しておきたい事実を中心に書いていければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


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高校生だった頃の私に伝えたい小説の書き方【初心者向け・基礎】

色々書いていくと長くなってしまいそうなので、いくつかに絞ろうと思っているのですが……最も伝えたいのは、以下の3点でしょうか。


  1. 『はじめての小説』で何を書くか
  2. 『はじめての応募』で何を意識するか
  3. 『はじめての感想』にどう対処するか


この3点は極端な話、小説をおもしろくするテクニックよりも100倍重要です。最も直接的な、『小説の書き方』だと思います。

なにしろ小説の書き方というものは人によって意見が分かれるので、自分がおもしろいと思った師を参考にしていくのが一番の近道です。

ただ、これを知らないと、ひどい時は書いた小説を公開する前に心を折られて作家人生終了、みたいな事になりかねないので、最初に知っておいて頂きたいなと。



①『はじめての小説』で何を書くか

どんなジャンルが初心者向けなのか? どんな内容を書いたら良いのか? というのは、どうしても気になってしまう事かもしれません。

「すごくおもしろい、画期的なアイデアを思いついた!」となるか、もしくは思いつくまで待っているのかもしれません。


でも、どんなにチープな内容でもいいから、まず一本完成まで書いてみて頂けたらな、と思うのです。


自分の持てる限りの力を尽くして、小説を一本完成させた! その結果が出れば、次はその結果を超えるものを作れば良いのですから、目標が明確になります。

最初から『世界のどこにもない、超おもしろい小説を書こう』と思っても、途中で断念する事が多いのではないでしょうか。

その理由は簡単で、『今の自分に書けるキャパシティをオーバーしている』からです。

たとえば、まだ一度も料理を作った事がない段階で、三ツ星フランス料理店の味を超えるレシピは作れるでしょうか。

まだ一度もスキージャンプをやったことがない人が、世界記録を抜く事はまず無理ですよね。

おもしろい小説のアイデアというのは、その時の自分が書けるいくつもの小説を完成させて行った上で、初めて出てくるものなんですよ。

「今回の自分の小説には、○○という要素が足りなかった。だから次は、これを超えるものを作ろう」という繰り返しの果てに、人が読んで楽しめる小説の形が待っているのだと、私は確信を持っています。

中にはとびきりの天才で、初めての小説でいきなり出版するという事もあるようですが、9割方の人間は、そうではないというのが現実でしょう。


練りに練ったアイデアは多くの場合プロットが難しくなるので、完成する前に断念する事が多いです。

それはまだ、自分にそのアイデアを書けるだけの余力が付いていないという事なんですよ。

はじめての小説では、自分がシンプルに『これおもしろいな』と思ったものを大事にして、まず一本完成まで導くということを意識して貰えればな、と思います。



②『はじめての応募』で何を意識するか

小説が完成すると、やはり賞に応募してみたくなりますよね。

その時に、「もしも大賞が取れたら……!」と期待することは、とても良い事だと思います。

でも、賞を取れなかったから、「私の小説はダメなんだ」とは思わないようにしてください。


ご存知でしょうか。今となっては有名な作品でも、実際に賞へ出した段階では、一次落ちになっている作品が多くあるんです。

レーベルが沢山あり、賞の選考もそれぞれ違うので、あるレーベルでは『不可』だったものが、別のレーベルでは『可』になることがあります。

そして、実際に賞を取った小説が、全て等しくベストセラーになるのかと言うと、そんな事は無いですよね。


ここから分かることは、『小説を世の中に送り出す』というのは、『確率の連続だ』ということなんですよ。

まず、編集者に気に入られるかどうかが確率です。賞を取っても、自分にとって良い編集者に出会えるかどうかは確率です。本が出ても、それが売れるかどうかは確率です。


そしてそのほとんどは、自分にとって操作できない確率なんです。


でも、諦めないで頂きたいのです。

幸いにも、今はインターネットが盛んな時代になっているので、自分が出した小説がどれだけの評価を得られるのか、賞に出さずともある程度、理解することができます。

実際、出版へこぎつけている作品の多くは、今となってはWebである程度の評価を得ているものでしょう。

それだけ、出版社も慎重になっています。ライトノベルのような時代を感じさせる作品は特に浮き沈みが激しく、売れない時は本当に売れないので、既に名が知れている作品を出したがります。

そして、そんなWebの世界でも流行り廃りというものがあり、伸びやすいジャンルと伸びにくいジャンルというものがあります。


賞が取れないから、Webで伸びないから、『あなたの作品はつまらない』という事ではないんですよ。


我々にできることは、より多くの読者に楽しんで頂けること。そのために、自分に書けるジャンルの作品をより洗練させて、世の中に公開するということだけです。

そこに焦点を当てると、『小説を書く』というのはグッと楽しくなるはずです。


③『はじめての感想』にどう対処するか

Webに小説を公開すると、どんな小説にも感想がつく事があります。

そして初心者が小説を公開した場合、その感想の多くは、初心者にとっては剣で刺されるような痛みを伴うものでしょう。

時には厳しい批判をいくつも受けて、心が折れてしまう事があるかもしれません。


昨今、誹謗中傷が人を殺めてしまったという事件が話題になっており、批判はともかく、作者を中傷するようなコメントが寄せられている現実には、「そんなもんだよ」と気軽に言うことはできません。

有名になればなるほど、すごい中傷が寄せられている現実は確かにあります。

何かのはずみで引き当ててしまうと、突然自分の小説が嵐のように拡散され、良いコメントと悪いコメントの渦に呑み込まれてしまうんです。

良いコメントばかりなら、その中に悪いコメントがあっても耐えられますが、悪いコメントで埋め尽くされていると心が折れますよね。


ただ、こと小説に関しては、事実がひとつだけあります。

それは、たとえ中傷されるような感想であっても、『その人の目に留まった』という事実です。


Webの世界は、もはや何十万と作品が掲載される時代です。その中で、自分に感想がつくほど読まれるというのは、本来はすごい事です。

ある程度人気のある作品を抱えている方というのは、日々感想に心を折られたり、励まされたりしながら小説を書いています。

できれば真っ当に作品を批判するコメントだけにして欲しいものですが、世の中がそうなるには、まだ少しかかりそうです。

だから、『他の小説を書いている多くの人は、あなたを応援している』という背景があることを、覚えておいて欲しいなと思います。

もちろん私も応援しておりますので、心が折れてしまった時は、お問い合わせフォームから連絡するなり、Twitterで連絡するなり、いつでもコメントをください。

あなたの作品の感想を消す事はできませんが、共感することくらいはできますので。


高校生で小説を書いていくために必要なこと

私は生意気な高校生だったので、脚本を書いては気軽に周囲へ公開していました。良い感想も悪い感想も軽く笑い話で済ませて、とにかく量をこなしていました。

でも良いことばかりではなく、私の舞台脚本を見た部活動の顧問は、私に「お前の作品はつまらないから、とにかく書くのをやめさせたい」と常に言っていました。

15年以上経つ今考えても、あんまり生産的なコメントは貰えていなかったと感じます。

自分の作品がつまらなかったのは認めるところですが、顧問がそう言っていると周囲は感想に困りますから、多くの場合は無言になります。

まあこれが困るところで、そうすると自分の書き方は自分で編み出すしかないんですよね。

どうにかおもしろい話を作りたくて、桜木町の演劇資料室にこもり、舞台脚本の書き方についてずっと勉強していました。

随分と遠回りをしましたね……。


ということで、もし可能ならば、高校生で仕事以外の交流がある今のうちに、同じように小説を書く仲間を探してみると良いかもしれません。

孤独になってしまうと、成長するのは難しいです。

これから小説を書きたいと思う高校生の方には、このブログで自分の知識を惜しみなく出していきますので、良ければ読んでみてください。

すべてが正解だと思う訳ではなく、『自分に必要なものを取り入れる』という考え方をすれば、きっと役に立つだろうと思いますので。

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