小説の書き方

小説の書き方の訓練は、たったひとつの方法しかない理由

クリス

小説を書いてみたいけど、どうやって訓練したら小説家になれるんだろう。
『効率の良い勉強法』みたいな感じになっちゃうけど、どう訓練したら上達するのか知りたい。



そんな悩みに答えます。


小説をまだ書いていない時って、どうやって小説って書けば良いんだろうか、と悩みますよね。私も作品を完成させるまでには結構な時間を必要としました。

始めて小説をまともな形で1作完成させたのが17年前ですから、当時から考えると随分遠い所まで来ました。

Web小説に投稿して7年目。書籍化オファーを受けましたがすったもんだの末に転びました。そんな立場から、分かることを共有します。

  • 小説の書き方以前に、上達しやすい訓練法が知りたい
  • どの手順で勉強するのが一番早い?
  • どんな要素がある?


こんな疑問を解決していくため、この記事を書いています。

それでは、さっそく本編に進みましょう。

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小説の書き方の訓練は、たったひとつの方法しかない理由

さて、もういきなり結論から言ってしまいますが、小説家になるため訓練する最速の方法は、ずばり『アウトプットしながらインプットする!』この方法に尽きます。


「なんだそんなことか」と思うかもしれません。でも、少しだけお時間をください。

良くない例を示します。

たとえば、書店で『小説の書き方に関する本』を買って勉強する。そうすると、中にはこんな内容が書かれていたりするわけです。

  • プロットの作り方
  • 文章作法や書き方のルール
  • 読者を感動させるテクニック


ふむふむ、なるほど。そう思って本を閉じ、よし自分でも書いてみようと思うけど、なんとなくどこから手を付けていいのか分からず……。そして、思う訳です。

「これは、もう少し勉強する必要があるな」

こんな事ってありませんか? 私は昔、小説と言わず様々な事で、このループに陥っていました。きっとこの段階で止まってしまっている人が、世の中には沢山いるはず!

そんな時こそ、この言葉を思い出す時です。『技術は、使わなければ技術ではない』です。

まずは一作、書こう

そもそも、文章作法だとかプロットの作り方だとか、いきなり文字を読んで覚えられるか、という話ですよ。

もう、そういう細かい事は全部後回しで良いんです。最初に必要なのは、まず小説を、書くこと。

そして、どんな内容、どんな長さ、どんなモノでも良いから、一作完結させること。

これがすべての始まりであり、そして終わりでもあります。

「いや、そうは言っても作法とかルールとかあるでしょう」と思う方も、いるかもしれません。


正直に言うと、もう全部後回しで良いです。紙かパソコンを使って字を書く事さえできれば、あとはもう極端な話、8割セリフでも構わないです。

三点リーダが『・・・』とかになっていても全然構わないので、まず1作書きましょう。


どうも最近は、「Webに公開する以上、プロもアマもない」といった意識が読者の根底にあるので、素人が小説をアップしにくい状況が訪れていると感じます。

今どんなに書ける人であっても、最初の1作からメガヒットを飛ばすような人は、本当の本当に一握りです。


でも、最初の1作を書いた当時は、「おっ、これ中々良いじゃん」と思っている訳です。これが重要なんですよ。

自分の中に作品をひとつ持っている時と、まだ1作も書き上げた作品を持っていない時。この2つの段階では、他の作品の読み方が天と地ほども変わってくるんです。

アウトプットすると、インプットしたくなる

どの小説とて、最初は自己満足です。でも小説を公開した時、自分の作品はそこまで支持される内容ではなかった、という事に気付きます。

もしくは、時間が経ってもう一度読み返した時に、「なんでこんな内容で満足していたんだ」と思う事になります。

こういったきっかけがあると、他の作品を読む時に、自分の作品との違いを比べて見るようになります。

『小説の書き方』というのは、ここがスタートなんですよ。『自分の作品を改善したい』という想いがなければ、そもそも読んでも頭に入って来ないんですよね。

1作書いて、「自分はすごい作品が書ける」と感じて、他の作品も沢山作ってみる。この段階でも、書きたいだけ書く事が大事かと思います。

それがヒット作となるなら素晴らしい事ですし、そうではなかったとしても、アウトプットすることで『自分の頭の中を具体的な形にする』という訓練を果たす事になります。


ただ、そこで満足して終わってしまい、実際には評価もされていないとなれば、どこかで学習する必要は出てきます。


これは自然な流れです。でも小説を公開することで、この自然な流れを読者に否定されることがあります。読者からすれば、最初から良いものを書いてきて当然だという認識があるからです。

駄作を作るのは、時間の無駄だと。しかし、その評価を恐れるあまり、書けなくなってしまったのでは話が始まりません。

『小説を書く』というアウトプットと対になる内容として、初めて『小説の書き方を学ぶ』という項目があるのであって、どちらが欠けても成立しないのです。

勇気を出して、まずは一作、書いてみませんか。

とにかく小説を書いてみるにあたって

小説の訓練は小説を書く事でしか達成されず、学習は同時に行う、という話をしました。

しかし、それでもなんとなく踏み出せないという方も居るのではと思います。

もう少し、ゼロベースの今でも小説を書きたくなって頂くために、以下2点のお話をしたいと思います。

  • 他人の意見を必ず聞くこと
  • 他人の意見に振り回されないこと


この2つです。

それでは、見ていきましょう。

ポイント①:他人の意見を必ず聞くこと

もしあなたが『人に評価される小説』を目指すなら、読者の声を聞かない事には話が始まりません。

自分の中だけで留めておければそれで良いという方なら構いませんが、そうではない場合は小説を公開しましょう。

「えっ、でもまだ初心者だし、批判されるのちょっと怖いな……」と思う事があるかもしれません。

でも、どんな段階であっても、必ずどこかで公開する事になりますし、必ずどこかでは批判されるんです。ここは勇気を出さなければいけない所です。

ここでひとつ、批判に強くなる言葉があります。それは、『読者は、あくまで読者の立場で作品の批判をしている』という事実です。

仮に「つまらない」という類のコメントが付いたとしても、それはその人の解釈上そうなっている、というのが現実の所であり、あなたの作品がつまらないと100%すべての人が思っている訳ではないのです。

もし仮に「つまらない」というコメントが沢山付いたとしても、それはコメントをしている人達がそう思っているというだけで、100%すべての人がそう考えている訳ではありません。


と書くと、「そんなのは言い訳じゃないか」と思うかもしれません。でも、この考え方は重要なんですよ。


100%すべての人が「面白い」「つまらない」の2極になる訳ではなく、必ず0%~100%の、どこかの満足度に落ち着くはずですよね。

ここが一番大事なんですが、面白い小説を書くという行為は、これを『100%に近付けること』であって、『100%にすること』ではないんですよ。


これが分かっていると、より支持されやすい題材、支持されやすいストーリー構成など、運ではなく手順で、文章にして語る事ができるようになっていきます。

人のコメントについても、「総合的に見るとこのシーンについての問題を言及している人が多いな」といったように、冷静に物事を捉える事ができるようになります。

面白い作品を作ることに集中できる状態が、最も良い状態です。

ポイント②:他人の意見に振り回されないこと

さて、人の意見を吸収できるようになった所で、次に意識しておきたい事は、『意見に振り回されないこと』です。

小説は、プロット・キャラクター・舞台設定など、色々な項目に分かれていますよね。

ここで、感想欄を見て「○○のキャラクターがつまらない!」と言われたからといって、たとえばそのキャラクターのシーンを増やすといった行動は、逆効果になってしまう可能性があります。

作品のどこが悪いのか、冷静に判断できる状態。これが、「振り回されていない状態」です。


というのも、作品を書いたことが無い人の意見って、往々にして間違っているんですよ。

たとえば上記のケースで行くと、キャラクターを動かしているのはプロット、つまりストーリーそのものじゃないですか。

そうすると、ストーリー上で登場しているキャラクターがうまく活躍できていないといった場合でも、「A氏のシーンをもっと増やしてくれ」といったリクエストが来る事があります。

実は、そこでA氏のシーンを言われた通りに増やしたとしても、問題があるのはA氏が活躍できていないストーリーの方なので、解決されませんよね。

むしろA氏のストーリーが蛇足になってしまって、邪魔をする事さえあるんです。


感想は、結果です。何が原因かは、我々書き手の方で判断するしかないんですよ。


一方で、作品をある程度書いている人のコメントは、すぐにそうだと分かる事が多いです。

「ここに問題があります」だけではなく、『なぜ問題か』を明確にしてくれている批判の場合ですね。

これは、素直に従った方が有益かもしれません。


『作品を直すのは、あくまで作者』ここが意識できていないと、感想に振り回される事になってしまい、結果としてどんどん作品がつまらなくなって行ってしまう、自分も書いていてつまらなくなってしまう、といった問題が発生します。

ここは意識しておいて頂きたいなと。

まずは1作、書いてみよう

ということで、書き方の訓練について、要点を書いてみました。

何にしても、まずは1作書いてみる事が、貴重な訓練になると思いますよ。まずはトライあるのみです。

書き始めると周囲も色々言いますし、茶化されたりもしますが、目標を持っているのは自分だけですから仕方がありません。

何より、書いている人達はみんな、初心者の事を応援していますから。一歩ずつ、進んでいきましょう。

もし立ち止まってしまったら、そこから書き方について調べるのでも遅くはありません。

文章作法や書き方なんて、人によって時代によって変わっていくものですから。

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