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赤字経営のベンチャー企業に入っても大丈夫?【結論:OK】

ジョージ

誘われたベンチャー企業に入ろうかどうしようか迷ってるんだけど、困ったことにけっこう赤字みたいなんだよね……。
やっぱり、赤字ベンチャーだとすぐに倒産する危険があってまずいのかな?
本当の所を教えて!




そんな疑問を解決します。



私も今はベンチャーで働いているのですが、入社した当初は鬼のように赤字を抱えていました。それから5年ほどで黒字化し、今に至ります。

自分の会社が赤字経営だというと、あまり経営のことに知識がない人からしてみれば、不安になってしまう事がありますよね。

『赤字の会社ってヤバいの?』

数ヶ月前、20代前半の若者からそういった事を聞かれました。


ということで今回は、『ベンチャー企業に就職・転職する』場合に、先の企業が『赤字』だとどの程度リスクがあるのか、という話をしたいと思います。

私が出会ったような、あまり会社に詳しくない若者を想定して書いていきます。なので、初心者向けですね。

それでは、本編へ。

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赤字経営のベンチャー企業に入っても大丈夫?【結論:OK】

まあもういきなりタイトルに書いてしまっているのですが、赤字経営のベンチャーに入ったからといって、多くの場合は明日いきなりどうこうという問題になる事はありません。大丈夫です。

というのも、ベンチャー企業というのは新しい事業にチャレンジする企業なので、どうしても赤字になりがちという側面があるんです。

スタートアップの場合は特に、最初の年から黒字を出すのは至難の業ですし、ほとんどの企業が赤字経営からスタートして黒字転換するようになっています。

『赤字だから』リスクがあるのではなくて、『資金が回せなくなるから』リスクがあるんです。

このあたり、詳しく説明していきます。

資金を借りて、『投資』する

たとえば会社の設立時、手持ちの1,000万と、銀行から1,000万を借りて、合計2,000万円で会社をスタートさせたとします。

初年度で自分の人件費を300万程度使って新しい商品を開発し、それを世の中に公開させる所まで行きました。

でも、この段階ではまだ1円も稼げていないので、赤字が300万円という事になりますよね。

実際は銀行にお金を返していく上で手数料があったり、事務所を借りたり水道代光熱費がどうたったりで、もっと赤字は膨らむものですが、一旦シンプルに考えてみましょう。


その次の年で、開発した商品をユーザーに認識してもらうために、200万円ほどで広告を打ち、宣伝しました。自分の人件費がさらに300万円。

でも、その年はユーザーが徐々に使い出して、年間5,000円を払ってくれるユーザーが100人現れて、50万円が戻ってきました。

これで、この年は450万円の赤字ということになります。


でも、その次の年は? さらにユーザーが増えて、1,000人になりました。次の年の収益は500万円です。人件費に300万円を支払いましたが、この年は200万円の黒字です。


つまり、『赤字になった』ということは、『そのお金を何かに投資した』ということです。

人か、資産か、はたまた広告か。

何かをしようと思うと、必ず支出が先に出ます。この例のように、支出を収益が上回る状態になるまでには、通常それなりの時間がかかるものです。

赤字=今すぐ倒産ではない

確かに、事業利益が赤字ということは、その段階では手持ちの資産を食い潰している状態のため、会社は倒産に向かっています。

でも、先程の例では2,000万円の資本を元手に会社を運営していましたが、これがベンチャーキャピタルから投資があって、1億円ほどお金があったらどうでしょう。

200万やら300万の赤字で、いきなりどうにかなる事はまずないですよね。


つまり、会社が倒産するのは、現金で支払いができなくなった時であって、赤字になった時ではないということなんです。

もちろん、お金を返せないと判断された会社に銀行がお金を貸してくれる事はありませんから、赤字で倒産が近付くのは間違いありません。

でも、手持ちの現金さえあれば、人を雇う事もできるし、広告を打つ事もできるし、何なら新商品を作る事だってできるかもしれません。


逆に言えば、その年の利益が黒字だったとしても、利益が入る前に支払があったがために倒産になるケースもあります。


このように、赤字経営でも何年も存続する会社というのは沢山ありますし、黒字経営でも倒産する会社もあるんです。

だから、『赤字=やばい』と表面的に捉えることはできないんです。

ベンチャーの赤字よりも、気にしたいこと

さて、赤字・黒字という表面上の言葉だけでは本当の会社の状態が把握できないんだという事が伝わっていれば幸いです。

でも少し考えて頂きたいのですが、これって基本的には、経営者が考えることですよね。

たとえ赤字だったとしても、会社に現金があれば従業員には問題なく給料が払われる事になります。

現金が足りなかったとしても、銀行などから融資を受ける事さえできれば、会社は存続するということです。


と、こう書くと「そんな一時的に水増ししたってすぐ潰れるだろ」と思う方も居るかもしれませんが、会社って無借金経営の方が手持ちの現金が少なくなる事が多いので、倒産がすぐ近くにある事になります。

そのため経営者は、会社が儲かっている時に『特に理由はなくても』借金をすることがあります。

金利を支払う事を代償にして、現金を手元に置いておくという考え方です。

そうすれば、ピンチの時にも会社が存続できる可能性が高まりますよね。


だから我々が考えなければならないことは、『会社が赤字かどうか』ではなくて、『個人が生きていけるかどうか』で、ここを分ける必要があります。

会社の赤字は、個人にどれだけのリスクがあるか

会社が赤字を続けていると、不安になる気持ちはよく分かります。

でもいち個人のサラリーマンという視点で見ると、会社の赤字はどのくらいのリスクがあるのでしょうか?

まず、本当に会社がまずい時は、人件費を下げられる可能性がありますよね。

給料を下げて支出を減らし、手元の現金を少しでも減らさないようにする。これで無事、支払いができれば、復活できる可能性は高まります。

でも、減給交渉をすると転職しようと考える人も居るので、中々そううまくは行きません。


ならば『給料の振り込みを遅らせる』というのも戦略のひとつで、特にこれは大きな支出があって、後に大きな収入がある場合などに利用される事が多いです。

そして、本当にどうにもならなくなった時は、会社の都合で自主退職が進められるか、会社都合での退職という事になる可能性があります。


逆に言うと、リスクは最大でも『退職』止まりだということです。利益が0になっても、借金を背負う訳ではありません。

多くのサラリーマンは資金的なリスクを取らずにお金を得ているので、経営者的な視点で見るなら、ノーリスクと言っても良い状態だということになります。

固定支出の額から考えるサラリーマンの戦略

さて、実質ノーリスクとは言っても、我々は生活するためにお金を使うので、そうも言っていられませんよね。

つまり、『退職』に自分がどれだけ耐えられるかというステータスが、会社選びに関わってくるということです。


もし退職しても、独身で家賃も安く、特に趣味にお金をかけることも無いという人であれば、わりとどうとでも暮らしていけます。

この場合、ノーリスクなので赤字ベンチャーに就職するのは全く問題ありません。

ところが、妻がいて子供がいて、家には車もあり、家のローンもあるという状態になると、これはなんとしても給料を得なければやっていけないという状態に陥ってしまいます。


でも、この場合でも再転職ができるステータスであれば、赤字ベンチャーに入るリスクはそれほど大きくはないです。

最も問題になるケースは、自分がどの程度の給料で転職ができるのかを知らない、つまり自分の市場価値を知らない状態で赤字の会社に挑戦してしまうことです。

会社の倒産に対してノーリスクである我々サラリーマンは、以下の場合に限り赤字ベンチャーを避けた方が良いという結論になります。

  • 転職で今と同じか、それより良い給料を得る事が困難である
  • 家族などが居るケースで、固定支出を避けられない


守るものがあるほど、慎重になった方が良いということです。

つまり、若者の場合はノーリスクの方が多いのではないかと思います。

赤字経営のベンチャー企業に入っても大丈夫です

最後に個人的な感想を言わせてもらうと、まあ若ければ案外どうにかなるものです。

ベンチャーに進んで就職したいと思う人は、大体自身の成長に強い願望を持っている事が多いと思います。

まあ給料がどの程度保証されるかという問題はあるにしても、生きていけないという事にはなりませんよ。気楽にいきましょう。

もしこういった考え方に合わず、「自分は会社に見放されたらとても生きていける気はしない」と思う方が居たとしたら、おそらくその方はそもそもベンチャーは目指さないだろうと思います。


私は、事前に赤字だという事を知らされている状態でチャレンジしました。

『会社を黒字化する』という事にすごく興味がありましたし、実際黒字化を達成すると、自分のお金ではないにしても気分が良いものです。

そんな風に挑戦的なマインドであれば、サラリーマンとして赤字経営の会社に入ることは、何も問題ないだろうと私は思います。


一応そんな言葉で締め括ろうと思うのですが、「いや、転職できるかどうかなんて分からないよ」と思う方は、転職エージェントに登録しておくのをおすすめします。

わりと自分がどのくらいの会社とポジションに挑戦できそうか、見えてきますよ。

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