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ベンチャー転職の経験はどんなところに役立つのか【スタートアップ】

自分自身のキャリアや仕事観などから、ベンチャー企業への転職を考えるという方も多いですよね。

なんとなく、一般企業よりもベンチャーの方が波乱が多そうで、自分自身が成長できるような気がする。

しかし、具体的にどんな部分で成長できそうか、イメージはできるでしょうか?

私が出会った中にも、なんとなく「ベンチャーは成長できそう」「ベンチャーは危険そう」といったような、イメージばかりが先行してしまう方がいました。


そこで今回は、『ベンチャー転職の経験はどんなところに役立ちそうか』という観点で記事を書いていきます。

私自身がスタートアップのような環境でベンチャー企業を成長させてきた経験があるので、成長した後の大きなベンチャーよりも、少人数でこれから事業をやるぞ! という企業に寄った話になります。


もちろん、会社によって状況というのは様々ですから、これから書くことはひとつの結果、経験談です。

ただ、何のイメージも持てない状態よりは、よりリアルに近い情報を得られるかと思いますので、そんな気持ちで書いていきます。

ベンチャーに転職して経験を積みたいと考えている方は、もしよければ参考にしていただけると、少し判断基準が明確になるかもしれません。

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ベンチャー転職の経験はどんなところに役立つのか【スタートアップ】

技術やスキルの面は企業によって様々で、とても『一般的には』なんてお話ができそうにありません。

ただ私の経験からすると、まったくビジネスの事について右も左も分からないような学生の時代から、最低限こんなスキルは身につくであろう、と考えている事はあります。

それが、以下3つの要素になります。

  1. ビジネスに関する最も基本的なリアルの知識
  2. 環境を開拓していく力
  3. やるべきことをやる力


これらは、スタートアップ・ベンチャーで真面目に働いていれば多くの場合は得られます。

なぜなら、これらを会得しないと仕事にならないからです。

まずは、こういった経験のメリットや詳しい説明について書いていきます。

1.ビジネスに関する最も基本的なリアルの知識

まず最初に取り上げたいのは、個人でビジネスを始めることを想定した時、よりリアリティのあるビジネスの経験が身につくことです。


たとえば自分がビジネスをしようと考えた時、何から始めれば良いでしょうか?

これには色々な回答があると思いますが、私なら商品を作り始めます。

なぜなら、商品はすべてのビジネスのスタートラインであり、会社を起こす事や資金を借りることなどはすべて、商品を作って販売する延長線上で覚えるものだからです。

そして個人で始めるならば、なるべくゼロに近い経費で、なるべく大きなリターンが得られるものを狙います。

なぜなら、ビジネスをする上で最も厄介なのは『固定費』だからです。

自分自身の生活費も固定費なので、これをゼロにすることはできません。だから、1人でやる時はどれだけ経費を削れるかが、事業の存続に直結してくるんです。

もちろんこれが正しいと主張したい訳ではなく、自分なりの判断基準が作れるということが大事だという話がしたいのです。


こういった個人の判断基準や考えは、その前提条件となる知識や経験がなければ成立しません。

実際に仲間とともにビジネスを起こし、それを成長させる・失敗させる経験がなかったとしたら、何から始めれば良いかを判断することは困難ですよね。

熱い想いだけで何の武器もなくビジネスを始めようとするというのは、ルールが分からないうちからギャンブルで勝てると信じ込むようなものです。

私も昔は、想いが強ければ成功できると思っていました。

確かに想いは大切なのですが、そこに到達するためのプロセスと仕組みが一番重要です。


そして、これがどんな仕事でも必ず得られる経験かというと、そうではないと思います。

実際、私の周りでは『事業そのものを成長させる』という観点で仕事を見ている友人はおらず、私がまったく話が合わないつまらない奴なので、やがて遊びに誘われなくなりました。

あ、これはジョークです。

もちろんベンチャー特有の経験ではないと思いますが、スタートアップならばまず得られるのが、小さな会社として事業の第一線で戦うリアル』です。


これ、今でもベンチャーに入って良かったなと思っている部分です。

2.環境を開拓していく力

次に、『環境を開拓していく力』についてお話します。


これもスタートアップ・ベンチャーだからという訳ではないですが、ベンチャーならほぼ確実に身につくと言っても良いスキルです。

世の中には、『変えようと思ってもできないと感じているもの』が相当、沢山あります。

たとえば人間関係はコントロールできないと多くの人が思っていますし、仕事は言われて嫌々やるものだという認識も、中々減りません。

給料は変えられないものですし、自分のスキルは努力しても中々上がらないものです。


こういった、『できない』を『できる』に変える力。それが、『開拓していく力』だと思っています。

ビジネスを自分の手で進めていく時には、自分が把握していない現象なんて、星の数ほど起こります。

いや、ほぼ毎日そんな出来事ばっかりです。

そんな時に、「これは教えてもらっていないからできない」「これは自分にできることじゃない」「これは面倒だ」と、どうしても逃げ腰になってしまいがちです。

でもベンチャーにいると、基本的にはそういう事を乗り越えていく人しか居ない訳なんですよ。

これ、すごい事ですよね。


実は私も、「できない事はできないんだから仕方ない」とずっと思っていた方で、保険の仕組みとか法律とか、そういった頭が痛くなるような事からはすべて逃げてきました。

でも、『開拓していく力』というのは、『忍耐力』です。

自分が困難にぶつかった時に、どれだけ自分1人の力で推進できるか、その圧力の強さです。


何度かこのブログでも書いてきたのですが、小さな会社にいると『誰も知らない出来事』というのが本当に頻繁に起こるんですよね。

サッカーチームがゴルフで勝負を挑まれるみたいな現象が、日々起きます。

そんな時、「ゴルフやったこと無いし、できないな」と思ってしまったら、会社が終わるというシチュエーションがたびたびあるんですよ。

だから、開拓していく力は身につきやすいかなと思います。

3.やるべきことをやる力

最後は、『やるべきことをやる力』です。


私も含めて、私達の実に多くが『やるべきこと』から逃げています。

明日はやらないとなあ、明日こそやらないとなあと言いながら何も進まなかったり、ちょっと始めてはみるものの、モノになる前にすぐ諦めてしまったり。

私も比較的、こういった癖を持っている人間です。

しかし今は少しは改善され、考える前に手が動きます。


この『やるべきことがやれない』状態って、心の奥底の本当に深い部分では、『やらないことがリスクだ』という認識を持っていないのが原因なんですよね。

スタートアップ・ベンチャーでは『やらないといけないけど……』なんて躊躇していたら、わかりやすく死にます。

具体的には、顧客が離れていくという形で現れてきます。

だから、ひとまず『やらない』という選択肢はないわけです。なら、いつやるか。

まあジョークを書きたい訳ではないのですが、本当にこうならないと、会社を追い出されるんですよね。

頭で考える前に手を動かさないと、すぐにタスクに押し潰されてしまいます。


ということで、『やるべきことをやる力』ですね。これは間違いなく、身につきます。

身についていない場合、スタートアップ・ベンチャーに席は無くなっているでしょう。

手に入れた経験がベンチャー以外で何の役に立つのか

さて、ここまで『ベンチャー企業で手に入れられる経験』という観点で話を進めてきました。

ここからは、実際にこれらの能力が自分の人生にどういった利点をもたらすか、という視点で話を進めていきます。

私が思うに、これらの能力を手に入れて役に立つ点は以下の3つです。

  1. 様々なスキルが手に入る(手動)
  2. ビジネスマンとして比較的有利な立場になれる(かも)
  3. 自分一人で生きていく訓練になる


探せば他にもあるとは思うのですが、ひとまずこれくらいかなあと。

さっそく、詳細について見ていきましょう。

1.様々なスキルが手に入る(手動)

前述の通り、考える前に行動する癖というのが身につきます。

そうすると、5年や10年などの長い目で見た時、そのスキルにはかなり大きな差が出てきます。

実際私も、あんまり良くない部分でこれを強く感じることも……昔は一緒に活動できていた人たちを、今は教えないといけない立場になってしまったり。これは少し嫌ですね。

ともあれ、色々なスキルが手に入ります。

ただ、ベンチャーに入れば自動で身につくという訳ではなく、完全に手動です。

その点はご注意ください。


まあスキルが手に入る事よりも、『スキルを手に入れるための力』が鍛えられていくのが良いですね。

結局、何かしらの能力を手に入れるためには勉強と訓練をしなければいけないんです。

こんな時、その作業量の大変さよりも先に手が動く習性を身につけられるので、抵抗感が薄れるんですよね。

もしかしたら、このある意味では向こう見ずになれる所が、一番の利点かもしれません。

2.ビジネスマンとして比較的有利な立場になれる(かも)

手前の項の延長線上にある話ですが、知識とスキルが人並み以上について来ると、その仕事の分野では社内外問わず、頼りにされる存在になります。

実際、仕事の面で信頼を寄せていただく事は多いです。

どちらかと言えばおべっかを使ったり、接待したりという接し方が苦手な私ですが、対等な関係として見ていただけるので関係が成立します。

ここは日頃から勉強していて得をする場面ですね。

仕事の面で貢献できないと、やっぱり下に見られて損をする事が多いので……。


自分のスキルがない時は人柄の良さで勝負するしかないのですが、いつまでも仕事ができなければ、いつかは見限られてしまいます。

だから、対等な立場で感情的ではなく、仕事の面できちんと貢献をして、どちらにも寄らない誠実な人間関係を築くというのが、ストレスがなくて良いです。


誰に対してもそういった姿勢を貫いていると、最もストレスのない形で頼られ、人を頼ることができます。

なんだか権力を持つということではなく、きちんと仕事ができる。

これが『有利な立場を手に入れる』という事かなあと思うのです。

3.自分一人で生きていく訓練になる

さて、こういったスキルが身についてくると、やがて『一人で生きていく』ということを意識するようになります。

ビジネスに自分がついていく形ではなく、自分にビジネスがついてくる形というのを、自然と目指すようになるんですよね。

実際にどこまでできるかは運もからむ所でしょうけれども、『会社を辞めたら生きていく手段がない』と怯えることがないので、そこは良いですね。


本気で何でも良いから仕事を探すのであれば、ある程度まとまったスキルがあるので転職先でものすごく困る事はないです。

また、自分でビジネスをやろうにも、『知識を持ってひとまず行動する』『一人で完結するまで仕事ができる』という最低限の部分がクリアできているので、戦いの土俵には上がれます。

そういった部分が、心の安定に繋がっているかなあと思います。

ベンチャーの経験は次の転職でも活きてくる

さて、ここまで『ベンチャーに転職することの経験はどう活きるか』という視点で書きました。

一応念のためもう一度書くのですが、これらのスキルは『ベンチャーだから手に入る』ということはないです。

会社によって、状況によって手に入るものは違いますし、どのベンチャーのすべての職種で当てはまるという事はないかもしれません。

ただ、スタートアップ・ベンチャーでは手に入りやすいだろう、という所ですね。


結局、自分自身の安定は自分の中にしかありません。

自分が不安定な状態だと、どんな仕事をしていても辛くなってしまう事があると思います。

だから、『ベンチャーに転職すること』が成長のすべてだと思わず、色々な手段を見ていただきたいな、と私は思います。

生きていく道って、実は本当に沢山ありますからね。

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